開業医実態意識基礎調査② 再審査請求「必ずする」3割

公開日 2022年03月02日

個別指導の相談先半数が「協会」と回答

 個別指導にあたっての相談相手(図1)は、「保険医協会の役員・会員・事務局に相談した」との回答が47・7%と約半数にのぼった。経年比較すると32・2%(12年)→43・5%(16年)→47・7%(21年)と増加している。全国調査は36・0%であり、東京では保険医である会員の相談相手として協会の存在が認知されていることが伺える。

個別指導時の「録音」と「弁護士帯同」が定着

 個別指導の際、「事前に要望し録音を行った」との回答は29・2%で3割に迫った(図2)。全国調査では16%であり、東京では個別指導時の録音が定着してきている。経年比較でも20・3%(12年)→27・6%(16年)→29・2%(21年)と録音を行う医療機関が増加している。逆に「録音を要望していない」は67・8%(12年)→65・7%(16年)→58・5(21年)と減少傾向にある。

 「事前に要望し弁護士を帯同した」との回答は12・3%だった(図3)。経年比較では5・1%(12年)→8・4%(16年)→12・3%(21年)と増加傾向を示した。

 録音と弁護士帯同は、協会が長年にわたり要望し実現した経緯がある。

 協会は会員から個別指導の相談を受けた際、関東信越厚生局東京事務所に事前連絡の上で指導内容を録音することを呼びかけてきた。指導官による威圧的な指導の抑止につながる他、指導内容を後で確認できるなどメリットが多い。不安な会員には弁護士を紹介し、弁護士帯同を保険医の当然の権利行使として定着させてきた。

指導医療官の態度「威圧的」が3割超

 指導医療官などの態度は、「官僚的、威圧的であった」との回答が33・8%と3割を超えた(図4)。経年比較で見ても3割超を維持しており、全国調査(17・3%)と比較しても東京の割合は著しく高い。指導時には「録音」と「弁護士帯同」を活用し、威圧的な指導を抑止することが望ましい。

再審査請求過半数が「半分以上復活」

 減点内容に不満がある場合、28・8%が再審査請求を「必ずする」、36・8%が「ときどきする」と回答した(図5)。一方で、「再審査請求をしない」との回答が合計で31・1%にのぼった。

 再審査請求を「必ずする」「ときどきする」と回答した会員に、再審査請求の結果をたずねたところ、「多くが復活」が18・5%、「半分程度復活」38・0%で、合計56・5%が半分程度以上復活していると回答した(図6)。再審査請求を「必ずする」と回答した会員では、「多くが復活」が24%と復活の割合が高かった。

 「多くが原審通り(復活しない)」は35・1%と高止まりしており、再審査請求を諦める要因になっている可能性がある。

納得いかない査定・減点は再審査請求を!

 協会は、納得のいかない査定・減点については泣き寝入りせず、算定根拠を明確にして再審査請求をすることを会員に呼びかけている。審査指導対策部ではレセプト請求や再審査請求の問い合わせに対応し、アドバイスを行っている。再審査請求をした結果、復活した事例が会員からは多く寄せられている。

 納得のいかない査定・減点については、審査指導対策部までぜひご相談いただきたい。


(『東京保険医新聞』2022年2月15日号掲載)