公開日 2022年04月15日
協会は保険医の頼もしい味方
日下部 浩(調布市)
大学医局にいて、病院に勤務していた頃は、月々のレセプトの時の病名付けなどは煩わしい限りで、深く考えること無く付けていたものでした。しかし、いざ自分で開業して経営者の側に立ってみると、保険診療を遵守して生きていく上でそれらは背に腹はかえられぬものと化し、否応なく対応していく日々が始まりました。
保険診療には複雑怪奇奇々怪々な、「え?」と思うような決まりごとが、ここでもかここでもかと多々あり、しかも度々変化します。われわれ一人ひとりの保険医は、これらに対応して生きていくしかありません。
日々の診療の中で、請求に関する疑問点が出てくることは開業当初はもちろんしょっちゅう、今でも時々出てきます。そういう時に東京保険医協会に電話相談をすれば頼もしい味方になり、懇切丁寧に対応してもらえます。
個別指導時の録音の要請方法や、帯同弁護士も紹介してもらえるなど、個別指導対策も充実しており、とても心強かったです。実際の個別指導では、事前に東京保険医協会に相談して得ていた情報のとおり、指導官からの信じられないような恫喝、お約束の如くの再指導という結果でしたが、協会の先生方からの励ましに随分救われました。
保険医という生業は、ひとりで開業して、ひとりで闘い続けることはとても心細いものです。そういう私たちのために、東京保険医協会はあります。私は開業してわずか3年半程度ではありますが、それでも数々の修羅場あり、コロナ禍あり、まだ生きていて、診療所を続けていられていることは、東京保険医協会への入会なくしては語れないくらいです。
(『東京保険医新聞』2022年4月5日号掲載)