【声明】オンライン資格確認システムの導入を義務化する中医協答申に対し、強く抗議し撤回を求めます

公開日 2022年08月16日

2022年8月16日

 東京保険医協会
         会長  須田 昭夫
政策調査部長   吉田 章

【声明】オンライン資格確認システムの導入を義務化する中医協答申に対し、強く抗議し撤回を求めます
 

 8月10日に開催された中央社会保険医療協議会・総会で、療養担当規則に「2023年4月から保険医療機関・薬局は、患者資格確認の際、患者がマイナンバーカードを健康保険証として利用するオンライン資格確認制度による確認を求めた場合は、オンライン資格確認によって受給資格の確認を行わなければならない(現在、紙媒体による請求が認められている保険医療機関・薬局は、例外とする)。例外を除く保険医療機関・薬局は、患者がマイナンバーカードを健康保険証として利用するオンライン資格確認による確認を求めた場合に対応できるよう、必要な体制を整備しなければならない」とする旨の規定を盛り込む短冊が厚労省から提示され、原案通り答申されました。

 
 当会は、政府が6月7日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太の方針)」を追認する答申が行われたことに抗議します。

 われわれは地域で日常診療を担う保険医の声を代弁し、国民と医療機関から支持されない性急なオンライン資格確認システムの導入が医療現場に混乱をもたらし、世界に冠たる国民皆保険制度の歴史に汚点を残す懸念があることを、くり返し指摘してきました。マイナンバーカードを使用したオンライン資格確認システムは、患者の医療情報を漏洩させるリスクがあります。同時に導入には多額の経費が掛かり、維持費も発生し、医療現場に大変な負荷をかけることが懸念されています。
 

 また、国民がマイナンバーカードを取得するかどうかは任意であり、医療機関・薬局にオンライン資格確認システムの導入を義務化することは政策として整合性を欠いています。保険証による資格確認は広く国民に定着しており、患者も医療機関も現状に何ら不便を感じていません。このような医療現場の実態に寄り添う議論こそ、いま中医協に求められているのではないでしょうか。

 医療現場に大きな混乱をもたらす重大な答申を、診療・検査医療機関が疲弊し、医療提供体制が揺らぐCOVID-19第7波の最中に中医協が行ったことは非常識極まりない暴挙です。当会は重ねて抗議して、撤回を強く求めます。

以 上



オンライン資格確認システムの導入を義務化する中医協答申に対し、強く抗議し撤回を求めます[PDF:147KB]