港支部例会 トラブルやコスト負担増などオン資義務化の悩み共有

公開日 2022年12月09日

 港支部は10月19日に例会を開催し、9人が参加した。

 冒頭、尹太明支部長から、「コロナ感染症が長期化しているが意見交換できる場として支部例会を開催した。日頃の疑問や思っていることを話し合いたい」と開会挨拶があった。

 話題提供ではオンライン資格確認を取り上げた。協会が実施したオン資の会員アンケートにおいて「原則義務化」反対が63%、「保険証の原則廃止」反対が65・7%という結果が出たこと、導入した医療機関の33・7%が運用中のトラブルを経験していることを報告し、トラブル事例も紹介した。また、協会が作成した「今まで通り保険証を持参してください」ポスターの活用を呼びかけた。

 参加者からは、「オン資格の費用の見積もりを業者からもらったが、導入費用だけで補助金を上回る額を提示された。それに加えて保守費用がかかる。不要なシステムのために医療機関が負担を負うのは納得がいかない」「日本弁護士連合会からもマイナ保険証取得の強制に反対する声明が出ている。法曹界から反対の声が出て心強い」「河野デジタル相が、保険証の廃止とマイナカードとの一体化を目指すと公言したことで、医療界にとどまらず世間一般にこの問題が周知されることになった。この機会をむしろ好機と捉えて、反対運動を盛り上げたらどうか」などオン資や保険証廃止に批判的な意見が出た。

 一方、導入した医療機関からは、「オン資を導入して資格確認をしたところ、患者に他院で睡眠薬が処方されていたのが分かったため、自院では処方しなかった。ここまで患者情報が分かるとは驚きだ」という声もあった。

 引き続きオン資義務化への反対運動を強めてほしいという協会への要望が寄せられるなど盛況のうちに閉会となった。

(『東京保険医新聞』2022年12月5・15日号掲載)