練馬支部例会 オン資システム義務化 問題点について意見交換

公開日 2023年01月10日

 練馬支部は10月26日、例会をオンラインで開催し、9人が参加した。岡支部長の開会挨拶の後、吉田副会長がオンライン資格確認等システムの導入義務化について、問題点と併せて説明した。

 中央社会保険医療協議会は8月10日、政府が6月7日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太の方針)」を追認する形で、マイナンバーカードによるオンライン資格確認等システムの導入を原則として義務づける療養担当規則の改定等について答申した。吉田副会長は今われわれが取れる対策として、①上記答申には附帯意見「2022年末頃の導入の状況について点検を行い、地域医療に支障を生じる等、やむを得ない場合の必要な対応について、その期限も含め、検討を行うこと」があるため、12月末時点での導入医療機関数を増やさないこと、②導入義務化に対応する場合であっても、電子カルテを守るため、院内システムとオンライン資格確認等システムを分離すること等を挙げた。加えて「骨太の方針には全国医療情報プラットフォームの創設について記載がある。オンライン資格確認等システム導入義務化の目的はマイナンバーカードの普及に留まらず、医療情報の集積・利活用にある。しかし議論は不十分であり、国民、医療機関双方の意思が軽視されている。拙速な導入は日本の医療のみならず社会全体に危機をもたらす暴挙だ」と強調した。

 懇談の場では「私は現段階ではオンライン資格確認等システムを導入していない。しかし近隣の医療機関、薬局は既に導入済みであり、従業員から自院の対応方針について質問されることもある。導入していないことに対して不安を感じるようになってきた」「全国医療情報プラットフォームが現実化した後にウイルス感染が起きた場合、電子カルテや診療への甚大な被害が懸念される」等、オンライン資格確認等システムおよびそのシステムを基盤とした医療DXを問題視する声が挙がった。

 最後に永田副支部長が挨拶し、閉会した。

 

(『東京保険医新聞』2022年12月25日号掲載)