港支部総会 オンライン資格確認 電子処方箋について意見交換

公開日 2023年03月28日

 港支部は3月8日に例会を開催し11人が参加した。

 尹太明支部長から、「オンライン資格確認の義務化や電子処方箋の導入推進など、医療DXの名のもとに我々医療者に実施を強いる施策が次々と出ている。本会でそれらの問題点や日頃の疑問を話し合いたい」と開会の挨拶をした。

 話題提供としてオンライン資格確認を取り上げた。2022年12月に厚労省が示した経過措置の対象となる医療機関は限定的であり、原則義務化を高圧的に推進する姿勢がはっきりと示された。経過措置の対象は6類型で、そのうち「第二号 オン資に接続可能な光回線のネットワーク環境が整備されていない医療機関」については、回線の都合上、オンライン請求をしていない医療機関の多くは光回線が整備されない限り猶予対象となり得ることが、保団連の厚労省要請の中で明らかになっている。参加者からは、これに基づき猶予届出を提出したいといった声が出た。

 また、オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟については、第一次訴訟の提訴を2月22日に行ったことを報告し、第二次訴訟に向けて引き続き原告団への参加を呼びかけた。

 1月から始まった電子処方箋について、厚労省は複数回にわたって説明会を実施し医療機関での運用方法等を示している。電子処方箋を患者が選択した場合であっても引換番号が記載された処方内容(控え)を発行する必要がある等、導入することで従前とどう変わるのかが厚労省の資料だけでは判然としない。紙の処方箋と電子処方箋が混在することでむしろ医療機関の窓口業務が煩雑になることだけは確実だ。

 参加者からは「カードリーダーを設置したが、1日1回は動かなくなり、その都度直すために労力がかかり無用の長物だ」「電子処方箋の導入は医療現場のためではなく、政府が医療DXを推進したいがための政策だ。導入しない方がよい」「医療DXが危険な本質は、カルテ情報等の漏洩であり、患者の個人情報を守ることができなくなることだ。医師の守秘義務がないがしろにされている。患者の医療情報を国が収集・管理する危険性をもっと周知したほうがよい」「保険証の廃止や資格確認書の発行など、混乱を招くことばかり政府は推進しており、医療現場の声を無視している」等、政府の施策に批判的な意見が相次いだ。

 COVID︱19の診療報酬について、二類感染症患者入院診療加算(外来診療)や電話等による診療など、3月以降の取り扱いが変更となる。5類化に向けて、今後もCOVID︱19の診療報酬の取り扱いが変更となる可能性がある。疑問点は協会に問い合わせるよう呼びかけて閉会した。


オン資義務化による現場でのトラブルや医療DX の強引な推進の問題など活発に意見交流した

(『東京保険医新聞』2023年3月25日号掲載)