入ってて良かった!協会の共済制度

公開日 2023年12月28日

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岡本先生

【岡本】2023年3月現在、東京保険医協会の会員は6,108人で、共済制度は2,646人の会員にご利用いただいています。加入者を代表して4人の先生にお集まりいただきましたので、実際に共済制度とのかかわりなどを伺いたいと思います。

 まずは、どの制度に加入されているのか、加入のきっかけなどをお話しいただけますか。

【田中】保険医年金、休業保障共済保険(休業保障)、第2休業保障、医師賠償責任保険に加入しています。実は勤務医時代に協会の共済制度に加入していましたが、一度脱退し、開業してから改めて加入した経緯があります。

【竹内】研修医時代に父のすすめで保険医年金に入り、今まで継続して加入しています。保険医年金の魅力は何といっても利率の高さですよね。この点は皆さんにおすすめしたいです。休業保障には6年前に加入しましたが、昨年新型コロナに罹患してお世話になりました。まさかこんなにすぐに利用することになるとは思っていなかったのですが。

【片倉】保険医年金には20年以上前に加入して以来、お世話になっています。公的年金の上乗せとして老後の頼りにしています。

【吉田】開業当初は借金を抱えながら背水の陣で医院経営していましたから、共済制度に加入する余裕はありませんでした。少し落ち着いてきたタイミングで、自分がケガや病気をしたときの保障や貯蓄、これからのことを少し考えておかないとと思い、保険医年金、休業保障とグループ生命保険に加入しました。

 

吉田先生

保険医年金

魅力は自在性と1%超の利率

【岡本】保険医年金といえばやはり、その利率に魅力を感じて加入してくださる方が多いですね。予定利率は2023年9月1日からは1.202%になり※1、毎年9月に受託会社の決算状況によっては配当が上乗せされることもあります。

【吉田】利率が1%を超えているなんて、本当にビックリしました。銀行の普通預金に入れていても利率は0.001%と微々たるもの、そんななかで保険医年金は利率が1%を超えている!保険医年金を中心に貯蓄しようと考えました。毎月コツコツ積み立てたものがいつのまにか結構な額になっているので、ありがたい存在です。

 しかも、一部解約が簡便にできるとは驚きでした。事情があって年金を一部解約したのですが、まず協会に連絡して、届いた解約申込書類を送ってから、その後1週間程度で振り込まれていました。すごいなと思いました。以前民間保険を解約したときは、理由を尋ねられたり引き留められたり、とにかく面倒でした。

【岡本】手続きは簡単ですよね。年金というと将来のことと思いがちですが、保険医年金は一部解約することで、いろいろな使い方ができます。

田中先生

【田中】新型コロナ禍で資金が必要になったとき、私は毎月の掛金の払込みを中断しました。非常に柔軟性のある制度ですね。
【岡本】おっしゃる通り自在性の高さも大きな魅力です。定期預金の代わりに利用しているという方もいます。注意していただきたいのは、加入から月払は4年3カ月、一時払は2年1カ月を経過する前に解約すると元本割れすることだけですね※11968年の創設以来、年金受給額が減額されたことはこれまで一度もありませんし、受託生保会社はすべて生命保険契約者保護機構(セーフティネット)に加入しており、積立金の保護が図られるようになっています。各協会・保団連は受託生保各社の経営状況を把握し、健全運営の確認を絶えず行い、保険会社任せでない制度運営に努めています。
※1 今後の経済変動等により予定利率・元本回復期間は変更される場合があります。

片倉先生

生命保険料控除で、節税にも◎

【片倉】確か、確定申告では保険医年金掛金を一般の生命保険料控除に使っていたと思います。個人年金保険料控除ではないのですか?

【岡本】その自在性ゆえに「個人年金保険料控除」の要件を満たさないため、「一般の生命保険料控除」の対象になります(年間最高5万円)。死亡保障等に未加入の先生は税軽減の効果もありますね。

【竹内】若いころは実感がなかったのですが、50歳を過ぎて、あと何年働けるのか考えるようになり、すすめてくれた父に「ありがとう」と思っています。

【岡本】親子三代での加入など、家族のすすめによる加入もとても多いです。ぜひ加入している先生方には、保険医年金の魅力をクチコミで広げていただけるとありがたいですね。

 

〈保険医年金の積立方法〉

①毎月積み立て「月払」1口1万円/最大30口

②春・秋の申込毎にまとめて積み立て「一時払」1口50万円/最大40口

 

休業保障共済保険(休保)

竹内先生

休業は大きなリスク

【岡本】開業医には休業したときに、自身の生活だけでなく、医院存続や地域医療への責任もありますが、生活の支えとなるような公的保障がありません。休業は死亡ほどの保障がない上に、支出が増えて収入が途絶えるという大きなリスクです。でも、若い先生方は「自分は病気にはならない」「これまで過酷な勉強と研修を乗り越えてきたんだから絶対に大丈夫だ」、みたいな変な健康に対する自信を持っている感はありますよね(一同笑い)。一般的な保険は年齢に比例してリスクが上がるため、保険料負担も上がっていくことがありますが、協会の休業保障の拠出金は加入時のまま変わりません。ただ、服薬中あるいは治療中の方は原則加入いただけませんので、健康で若いうちに加入されることをおすすめしたいです。

【竹内】ありがたいことに風邪もあまり引かず、今まで仕事を休んだことは殆どなかったのですが、新型コロナにかかって給付金を受け取り本当に助かりました。給付審査に一定時間を要するとのことでしたが、1カ月ほどで受給できました。勤務医なので休業中の給与分は労災の休業補償給付を受けるのですが、そちらはとにかく遅くて…4カ月以上経っても未だに支払われていません。

【岡本】休保は労災や所得補償保険など他制度から給付を受けている場合も受給できますし、勤務医の先生にもおすすめですね。

【竹内】勤務医でも1つの主たる医療機関等で、週4日以上かつ週16時間以上業務に従事していれば加入対象になりますので、非常勤の先生方も加入をあきらめずに確認していただいたらよいと思います。

【岡本】新型コロナもそうですが、入院だけでなく自宅療養への備えも大切ですね。

 休業保障は、代診医を置き医業収入があっても受給できます。ただ、加入している先生が、休業中に診療行為等でなくても、院長業務を行ったり、会議や研修等に参加した場合などは休業とみなされず、基本的に受給できませんので注意していただきたいです。

【田中】私も代診費用の確保という意味もあり加入しています。代診の先生を頼むのは日替わりや半日単位が多く、交通費を含めると意外とコストがかかるんです。自分が弱っているときにお金の心配までするのは大変です。それで、休保の上乗せとして、所得補償保険・GLTD(第2休保)にも加入しています。所得補償保険は、掛金が1,000円からと小回りがききますね。

【岡本】はい。所得補償保険はご自身だけではなく、従業員の福利厚生として使っている医療機関も多いです。全従業員の加入が条件となりますが、損金(経費)として計上できます。

 

柔軟な運営で“新型コロナ”にも対応

【岡本】各制度を上手に活用いただいていますね。休業保障の母体は、金融庁の認可を受けた「一般社団法人 全国保険医休業保障共済会」で、全国の協会・医会の共済担当理事や共済部員の先生方、事務局が主体的に制度方針や運営の実務を担っています。苦労されている先生方の役に立てるよう、今後もよりよい制度にしていきたいと考えています。

【田中】なるほど、加入者の立場に立った制度運営だから、新型コロナのような予想外の事態が起きたときも安心ですね。運営主体が信用できるかどうかはとても大事ですし、自分自身の保障としてはもちろん、他の加入者の先生方を支えることができるというのも共済制度のよいところですね。

【岡本】最近の改善点は、2022年8月から免責期間を短縮し「入院は初日から、自宅療養は4日目から」の給付としたこと、新型コロナで受給する場合の休業証明方法を追加したことです。

【吉田】半年くらい前に新型コロナで休業した分をまだ請求していないのですが…たとえば、HER-SYSの「療養証明書」があれば大丈夫ですか?

【岡本】申請できます。給付金請求には、①加入者が休業の経緯等を記載する「状況報告書」と、②第三者の医師が休業の必要性を証明する「医療証明書」の提出が必要です。新型コロナの特例として、陽性者全員が受診できる状況ではなかった期間については、「医療証明書」の代用になるものが定められていますので、協会にお問い合わせいただければと思います。時効は3年ですので、1年前のものでも、ためらわずに申請してください。

 

グループ生命保険

三大リスクにどう備える?

【岡本】傷病、老後、死亡の三大リスクにどう備えるかという点で、休業保障や保険医年金とあわせて三大制度の1つである、グループ生命保険についてもお聞きしたいと思います。手頃な保険料が魅力ですが、1年毎の決算で剰余金が出た場合は、配当金として加入者に還元されますので、さらに割安感があります。実際に2022年度は保険料の3.56カ月分を還元しました※2。死亡保障はシンプルな掛け捨てがよいと言われていますね。

※2 19年連続配当。毎年の決算状況によるため、将来の支払を約束するものではありません。

【吉田】パンフレットにありますが、医療法人の場合、保険料を全額損金にできるとは知りませんでした。

【岡本】その場合は、死亡保険金受取人も医療法人に指定していただきます。もしもの際には、一旦法人が保険金を受け取り、内規によりご遺族に支払う流れになります。

【田中】節税的なところもあるわけですね。

【岡本】死亡保障は、医療機関のために既にお入りの方も多いですが、ご家族のための保障は十分かお考えいただきたいですね。いざというとき、すぐに現金化できるものは必要ですから。医院経営もある程度軌道に乗り、あるいは子育てもひと段落して、自分が死んだ後、家族にお金を残したいけど高い保険料を見直したいときにも活用していただきたいです。

【片倉】大学卒業してすぐの頃、知人が他県の保険医協会で働いていて、しきりに共済制度がいいとすすめてきたんですが、当時24歳、全然ピンとこなくて、保険医協会には共済制度もあるんだ…で終わってしまったんです。もう少ししっかり聞いていたら早くから入っていたかなあ。

【竹内】私も休保については必要かどうか迷っていましたが、協会と協力している生命保険会社の担当者に強力にすすめられて加入を決めました。

【吉田】話を聞いてみないと分からないものですね。今日は新しい発見がたくさんありました。

【田中】協会が窓口になって対応してくれるのもありがたいし、安心ですね。自分以外にも分かっていてくれる人がいるのは心強いです。民間保険は加入状況の確認も全部ネットで、頻繁にログインするわけではないので忘れてしまうこともありますから。

【岡本】先生方は皆さん、お忙しいと思います。自分が何の保険に加入しているのか忘れている方もおられるでしょう。協会からのお知らせには目を通していただいて、気になることがあれば気軽にご相談ください。

 協会に入会して何年も経つ先生から、「共済制度を知らなかった」「もっと早く知っていれば良かった」と言われることがあります。ぜひ、先生方のネットワークで共済の魅力を広げていただければと思います。

 本日は、ありがとうございました。

 

(2023年1月14日協会小会議室にて実施)