11/3(金・祝)ピアサポート研究会~医療社会学の視点を中心に~ 14:30ー16:30

公開日 2023年10月18日

●目 的●

 2000年頃から、日本でも透析や人工呼吸器の不開始・中止に関する議論が活発になってきました。透析や人工呼吸器の医学的適応がある患者さんが、「透析はしたくない。」「人工呼吸器は付けたくない。」と希望した場合、主治医などの専門家は、本人の希望を尊重しつつも、専門的な情報提供と対話を続けることが求められます。しかし、多職種も交えた協働意思決定(Shared Decision Making)を行うとしても、当事者、家族、医療者の間の知識の量・質、立場の違いが大きく、意思疎通や意思決定は決して簡単ではありません。悪くすると、説明や話し合いに絶大な時間や期間を要した割には、本人にとって不本意な選択や結果になってしまう可能性もあります。
 「ピアサポート研究会」(以下、当会)は、このような問題意識を背景として発足しました。日本におけるピアサポートは、改善や発展の余地も大きいものの、ピアサポートによって、医療者が何時間かけても伝えられない経験値や情報が提供されたり、専門家と本人の対話が円滑に進んだりすれば、医療者の時間の使い方にもめりはりがつき、医療やケアの質の向上との好ましい循環が期待できます。
 当会は、2020年8月23日を第1回として、これまで年1回、通算3回開催しました。毎回、透析歴36年であり、支援者でもある宿野部武志氏と招待演者の講演後に、全体討論を行っています。招待演者としては、これまで、内科医の三浦靖彦氏、過労死家族会の中原のり子氏、東京医師ユニオンの植山直人氏を招聘しました。
 これまでは、現場や実務に関する議論が中心でしたが、今回の4回目は、やや趣向を変えて、脳神経内科医でもある美馬達哉氏が医療社会学の観点からピアと医療専門家のかかわり方についてお話する予定です。ピアサポートは、社会科学、人文科学、自然科学の境界を超えて、また、理論と実務を行き来して、学際的に多様な立場で議論すべき課題です。今回の会が、その契機となればと期待が膨らみます。
多様な立場の皆様と熱い議論を行うことを楽しみにしております。

≪講 師≫

【司会・趣旨説明】14:30ー14:45

 杉原 正子 氏 まさこ心のクリニック自由が丘/協会勤務医委員会委員
「ピアサポート研究会のこれまでの経緯と背景」       

【講師】

14:45ー15:05
宿野部 武志 氏(一般社団法人ピーペック代表/社会福祉士) 
「医療におけるピアサポートの役割と可能性」

 腎臓病患者当事者として約8年間ピアサポート活動を行ってきた。具体的な事例も交えてその活動の実践と患者に及ぼす効果をお伝えし、ピアサポートが医療現場で活かされることによる効果や可能性についてお伝えしたい。

15:05-15:45
美馬 達哉 氏(脳神経内科専門医/立命館大学大学院・先端総合学術研究科教授)
「ピアと医療専門家のかかわり方-医療社会学から-」

 臨床現場で、専門家だけでなく、ピアが果たす役割が有益かつ重要であることは、1970年代以降の英米を中心に提唱され始め、日本でも受容されつつある。本報告では、英米でのいくつかの先行事例を紹介して、その可能性と陥穽について、医療社会学の観点から考える。。

討論:15:45ー16:30

 

≪日時・会場≫

■ 11月 3日(金・祝)14時30分~16時30分   東京保険医協会セミナールーム
 新宿区西新宿3-2-7 KDX新宿ビル 4階 Tel 03(5339)3601【JR新宿駅 南口 徒歩10分】

■ 参加費:無料 

■ 定員  会場 25人  Zoom 95人       (申込先着順 定員になり次第締切)

■ 参加対象者 どなたでも参加できます。

≪申し込み≫

 「11/3ピアサポート・研究会」として、(1)参加者名、(2)ご所属名、(3)電話番号、(4)FAX番号をご記入のうえ、メールフォームからお申込みください。こちらからどうぞ(会場参加/Zoom参加どちらかを選択してください)。FAX(03-5339-3449)でもお申込み可能です。

≪問合せ≫

 東京保険医協会 勤務医委員会

 TEL:03-5339-3601/FAX:03-5339-3449/mail:info@hokeni.org

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