[声明]ただちに女川原子力発電所第2号機を総点検せよ

公開日 2025年02月12日

2024年12月2日

ただちに女川原子力発電所第2号機を総点検せよ 

東京保険医協会
公害環境対策部 部長 櫻井 正美

 

 

 

 女川原発第2号機は、2011年の東日本大震災時に過酷事故を引き起こした福島第一原子力発電所1~3号機と同じ沸騰水型軽水炉の原子炉である。また、女川原発第2号機自体が、同震災による地盤沈下と建屋に幾多の損傷を認める被災原子炉でもある。

 女川原発第2号機の再稼働をめぐっては、中止を求める住民訴訟が行われている。第二審の仙台高裁判決(2024年11月27日)は、原告の主張する予測不能な事故時の避難計画の杜撰さについて、原告側が「具体的な危険性を立証していない」、「避難計画は発生した事態に応じて臨機応変に決定し、段階的に避難することを想定している。計画を了承するまでの過程に看過しがたい誤りがあるとはいえない」として、請求を棄却した。

 高裁審議中にありながら、2024年10月29日、東北電力は女川原子力発電所第2号機を再稼働させた。住民の不安を嘲笑い、自らが十全十美と言わんがばかりの振る舞いであった。

 その後、11月3日に原子炉内の中性子を測定する機器を「案内管」を通して原子炉内に送り込む作業中に、トラブルが発生し原子炉を停止する事態に陥ったものの、わずか8日後の11月11日には、「『案内管』のナットの締め付け不足で緩み、案内管から送り込んだケーブルが外れ抜けなくなったが、227カ所のナットを点検し締め直した」と主張し、同日に宮城県より厳重注意が行われたが、総点検は行わず早くも13日には原子炉を再び起動させた。15日には発電の再稼働を強行し、東北電力によれば、12月には女川原発第2号機による送電を開始するという。ナットの締め付け不足すら事前にチェックできないような管理体制であることが明確になった以上、東北電力はただちに女川原発第2号機の総点検を実施しなければならない。

 国は、この間住民の不安を解消する手立てを一切取らず、東北電力への適切な指導をしてこなかった。国は、女川原発第2号機の総点検を実施させなければならない。

以 上

 

ただちに女川原子力発電所第2号機を総点検せよ[PDF:167KB]