[私と保険医協会]新規開業の先生には保険医協会をお薦めします

公開日 2025年04月23日

新規開業の先生には保険医協会をお薦めします


韋  晴明(中野区)

 わたしは1989年に新規開業しました。今はやりの開業コンサルタントなどは存在しませんし、開業している友人も身近にはいませんでした。当時インターネットなどは存在しないのでわからないことを検索することなどできませんし、そもそも何をわかっていないかということすらわかっていませんでした。個人事業主として知らなければならないことは一切白紙の状態。

 労働者を1人でも雇っていれば労働保険の成立手続を行う義務があることは求人誌の編集者に教えてもらい、個人で事業を始めた際、1カ月以内に管轄の税務署に「個人事業の開業届」や「所得税の青色申告承認申請書」を提出しておいたほうがよいこと、医療機関が発行する領収書に(たとえ自由診療であっても)収入印紙を貼る必要のないことなどは、隣のたばこ屋のおばさんに教えてもらいました。

 当然のことながらレセプトの書き方もわかりません。レセコンメーカーの営業担当者にコーチしてもらい、見よう見まねでレセプトを作成・提出したところ、支払基金や国保連合会からは査定が山のようにきました。初診時には、病院勤務時の診療スタイルそのままに、スクリーニングとして血液検査をしたのですが、「画一的な検査は認められない」とか「検査項目が多すぎる」という理由でした。

 どうしてよいか困り果てていた時、医師会の知り合いが「保険医協会に相談したらどうだい、医師会の会員もたくさんの人が入っているよ」と耳打ちしてくれたのです。さっそく東京保険医協会に入会申し込みをしました。

 以来35年間、レセプト請求の仕方がわからないとき、査定されて再審査請求を出したい時など、折に触れて電話問い合わせをしています。すぐにわかりやすい答えが返ってきますので重宝しています。とくに最近は政策的に誘導するための「○○加算」が多すぎて混乱しがちですが、協会の新聞や機関誌などでわかりやすくまとめてくれており、助かります。

 新規に開業される先生方に保険医協会をお薦めする所以です。

(『東京保険医新聞』2025年4月5日号掲載)