保団連全国調査・中間集計 マイナ保険証トラブル経験「9割」

公開日 2025年05月13日

 東京協会を含む全国32都府県の保険医協会・医会で実施され、保団連が集計した「2024年12月2日以降のマイナ保険証利用に係る実態調査」の中間集計がまとめられている。

 直近のマイナ保険証利用率については、10%未満が19・1%、10~20%未満が24・8%、20~30%が23・3%、30%以上が26・2%だった。前回(2024年8~9月)に比べて上昇しているが、利用率30%未満の医療機関が全体の約7割を占めている。

 12月2日以降の窓口業務について、「とても負担を感じる」15・7%、「負担を感じる」45・2%と、6割の医療機関が負担感を抱いていることがわかった(図1)。具体的には、特に高齢の患者の場合に毎回スタッフの補助が必要になることや、機械のトラブル、受付の混雑等が挙げられており、これまで必要のなかった手間が発生することで患者、従業員共にストレスを抱えているとの声が寄せられた。

 マイナ保険証のトラブル状況について「特にない」との回答は10・9%に過ぎず(前回は24・6%)、約9割の医療機関が何らかのトラブルを経験している。トラブルの主な内容は「●(黒丸)で表示される」64・2%、「カードリーダーの接続不良・認証エラー」43・6%、「資格情報が無効」37・9%、「有効期限切れ」30・6%だった(図2)。

 トラブルへの対応方法では、「持ち合わせていた健康保険証で確認」が78%と最も多く、次いで「前回来院時の情報をもとに対応」が42%、「『資格情報のお知らせ』で確認」18・9%となっている。一旦10割負担いただいたとの回答も12・3%に上っている。

 マイナ保険証の利用によるトラブルが頻発しており、その際には手持ちの健康保険証が最も有力な対応方法となっていることがわかる。健康保険証の有効期限が切れた時点でこの方法は使えなくなり、現場の混乱がさらに悪化することが懸念される。

 国民が確実に保険診療を受けられる体制を保証するためにも、健康保険証の発行再開または全被保険者への資格確認書の一律交付が必要だ。

 
 

(『東京保険医新聞』2025年4月25日号掲載)