オン資義務不存在確認等請求訴訟 次回6月10日に結審見込み

公開日 2026年03月16日

 2月25日、「オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟」控訴審の第二回口頭弁論が東京高裁101号法廷(三木素子裁判長)で開かれた。弁護団と全国から集まった原告16人が原告席に立ち審理に臨んだ他、約57人が傍聴した。

 原告側は新たにマイナ保険証のトラブル調査結果やメディア記事等を証拠として提出し、追加の準備書面もあわせて主張を行った。第三回口頭弁論は6月10日に101号法廷で開かれることが決定し、三木裁判長は次回で結審とする見込みを示した。

 
 記者・原告説明会の模様(2月25日、航空会館)

マイナ保険証トラブル 1年前から改善なし

 口頭弁論終了後、航空会館で記者・原告説明会を開催し、記者・原告等55人が参加した。

 弁護団の牧田潤一朗弁護士が、原告側の論点について解説し、質疑・意見交換を行った。今回の原告側の主な主張は下表のとおり。

 

 続いて、全国保険医団体連合会(保団連)の竹田智雄会長が、証拠として提出した「2025年8月以降のマイナ保険証利用状況に関わる実態調査」の結果を解説し、未だに医療機関の7割でトラブルがあり1年前から改善していないこと、トラブル時は多くの医療機関が保険証か資格確認書で対応していることを報告した。

 それを踏まえ、従来の保険証復活の重要性を強調し、患者の受療権を守る当面の策として、①資格確認書一律交付を求める意見書採択で自治体を動かすこと、②後期高齢者の資格確認書の全員交付の継続を求めていくこと、③待合室からの資格確認書の申請などの情報発信、を呼びかけた。

国側に反論の余地なし

 全国から集まった原告等の中から、黒田康之(岩手協会副会長)、石毛清雄(千葉協会理事)、早坂美都(東京歯科協会会長)、申偉秀(東京協会理事)、成瀬清子(東京協会会員)、細部千晴(東京協会理事)、藤田倫成(神奈川協会理事)、梅村忠司(三重協会副会長)、玉川尚美(大阪歯科協会理事)、島津俊二(兵庫協会評議員)、濱本定俊(愛媛協会会員)、杉山正隆(福岡歯科協会副会長)各氏がフロア発言を行った。「厚労省はトラブル時も3割負担で医療が受けられると宣伝しているが、医療機関に瑕疵のない不詳レセプト等の不払い例が報告されており、現場に負担が押し付けられている」「オン資導入に伴うセキュリティ対策の強化も医療機関の負担となっている」「医療機関の廃業数は過去最高に達しており、実際に地域の医療機関の減少を体感している」等、医療現場の実情が報告された。

 弁護団長の喜田村洋一弁護士は、「行政訴訟において、国は何度も反論を行うのが通常だが、今回の控訴審での反論は1回のみであり、反論の余地がないことを示している。論理的には我々が圧倒的に正しく、必ず勝つと信じている」と力強く述べた。

 最後に中村洋一副会長が「本日報告いただいた通り、誰でも安心して受診できるという国民皆保険の基本理念が損なわれかけている。一審の結果は期待通りではなかったが、我々には国民のいのちと健康を守る責務がある。勝訴に向け、意気軒昂と進んでいこう」と訴え、閉会した。

 
 25年8月以降もマイナ保険証でのトラブルが続いていることを報告する竹田智雄保団連会長(2月25日、航空会館)

 (『東京保険医新聞』2026年3月15日号掲載)