公開日 2026年06月17日

- 山添拓議員(参議院・共産/写真右)に会員署名491筆を提出した
協会は6月4日、国会議員要請を行い、中村洋一副会長、水山和之副会長、細部千晴副会長、竹内真弓理事が参加した。
①国際情勢の悪化に伴う医療資材の不足・高騰への対応、②患者負担増(OTC類似薬追加負担、高額療養費)の見直し、③全ての被保険者が資格確認できる手段の確保、の3点について東京都選出の議員を中心に全会派82人の国会議員に要請した。
当日は、山添拓(参・共産)議員および、安藤たかお(衆・自民)、大西 洋平(衆・自民)長澤興祐(衆・自民)、高沢一基(衆・国民)、辰巳孝太郎(衆・共産)、田村智子(衆・共産)、小川克己(参・自民)、かまやち敏(参・自民)、自見はなこ(参・自民)、塩村あやか(参・立憲)、猪瀬直樹(参・維新)、吉良よし子(参・共産)、小池晃(参・共産)、天畠大輔(参・れいわ)各議員秘書と面談した。
医療物資不足や物価高騰への対応を
国際情勢の悪化に伴い、原油・ナフサの供給逼迫と価格高騰が進んでいる。医療現場でも、感染防止対策に必要な医療用ガウンやビニール手袋等の衛生材料をはじめ、注射器やカテーテル、点滴バッグ、手術時に使用する廃液容器等の医療資材の調達不安・コスト増が広がっている。
政府は備蓄の医療用手袋の放出を行う等の対応を行っているが、不足物資は備蓄が行われていないものも多く、目詰まりの解消に留まらない一層の対応が必要だ。国として生命維持に関わる資材の医療機関への優先配分等の対策の具体化を求めた。
また、原油価格高騰により、物価高騰にも拍車がかかっており、医院経営にも大きな影響が生じている。今後も製油所の減産、供給制約、各種製品価格の上昇が進むことが見込まれ、こうした状況が続けば、日常診療の継続が難しくなるおそれがある。医療資材の高騰を踏まえ、物価高騰に見合った十分な補助金の支給等の支援を求めた。
患者負担増の見直し求める
5月29日、参院本会議でOTC類似薬の患者負担増を含む健康保険法等改正法が成立した。2027年3月からOTC類似薬の薬剤費の4分の1を「一部保険外療養」として患者負担とする。高額療養費制度についても、自己負担上限額の引き上げなどの見直しが進められている。
これらは現役世代の保険料負担抑制を理由としているが、厚労省の試算では高額療養費制度の見直しで削減される保険料は1人あたり月約116円、OTC類似薬については月約33円に過ぎない。若干の負担軽減と引き換えに、慢性疾患患者や高齢者、低所得者などへの負担集中を招き、受診抑制や服薬中断、自己判断での服薬による副反応等の健康被害が懸念される。
高額療養費制度は、重い医療費負担から患者を守る重要なセーフティネットであり、全国保険医団体連合会が患者団体等と呼びかけた高額療養費の自己負担引き上げ撤回を求めるオンライン署名では、30万筆超が集まり、多くの患者・その家族が制度改悪反対の声をあげている。
OTC類似薬の4分の1の追加負担や高額療養費制度の見直し等の患者負担増政策を撤回するよう求めた。
全ての被保険者が資格確認できる手段を
厚労省は3月25日、有効期限切れの健康保険証が使用できる特例措置の期限を3月末から7月末まで再延長した。現在も期限切れの保険証で受診する患者が一定数いることが再延長の理由であると説明しているが、この特例措置自体、マイナ保険証による混乱が今も続いている証左である。
全国保険医団体連合会のアンケート調査では、約7割の医療機関が2025年8月以降もマイナ保険証による資格確認のトラブルを経験していることが明らかになっている。
また、大阪府の後期高齢者医療広域連合は、問い合わせ対応の負担増の懸念等から後期高齢者全員に資格確認書の一律交付を決定している。
資格確認機能をマイナ保険証に事実上一本化することは、トラブル時の資格確認を困難にし、患者の受療権を奪うことにつながりかねない。全ての被保険者がトラブルなく資格確認できる手段を確保するよう資格確認書の一律交付等を行うことを要請した。
「一部保険外療養」は実質的な混合診療解禁
懇談した議員からは、「健康保険法の改正(一部保険外療養の導入)について、参院では立憲・公明が反対の立場に立ったが、これは問題点を明らかにし、広めてきた協会・保団連の運動の成果だ」「一部保険外療養の対象がOTC類似薬の薬剤に限定されない規定となっていることが焦点となり、答弁では『OTC類似薬に限定する』という言質は取ったものの、政府は条文を見直す考えはなく、後々の恣意的な運用を妨げる効力はない。ここから保険外の扱いを拡大していく意図は明らかだ」「改正健保法は実質的な混合診療の解禁に他ならない。実施される2027年3月までに今からでも声を上げて、患者負担増を食い止めることが必要だ」「政府が放出した医療用手袋の入手ルートがアスクルに限定されていることや、通常の価格より割高になっていること等は初めて知った」等の発言があった。
昼には、衆議院第二議員会館第一会議室で「ストップ!患者負担増 安心の医療を!」アピール集会が開催され、現地・Web合わせて188人が参加した。駆けつけた国会議員が挨拶した後、全国各地の医師・団体によるリレートークが行われ、安心して医療を受けられる仕組みを訴えた。
(『東京保険医新聞』2026年6月15日号掲載)


