[要望書]原油高騰・ナフサ不足に対する病院への緊急対応を求める要望書

公開日 2026年07月06日

2026年6月27日

内閣総理大臣 高市 早苗 殿
厚生労働大臣 上野 賢一郎 殿
財務大臣   片山 さつき 殿

東京保険医協会
病院有床部長 水山 和之
 

原油高騰・ナフサ不足に対する病院への緊急対応を求める要望書  

 

 長引く原油価格の高騰やナフサの供給不足により、医療機関が日常的に使用する医薬品・医療資材や光熱費等に深刻な影響を及ぼしています。とりわけ病院は24時間365日体制で入院患者の診療、救急受入れ、手術、検査、透析等を担っています。その中で連日大量に使用する医療用手袋や注射器等の医療物資の不足・高騰は、病院の存続を不可能とし、ひいては人命に直結する重大な問題であるため、緊急の対応を要望します。

 

 そもそも、近年の急激な物価高騰、人件費の上昇、光熱費負担の増加等により、2024年度時点で約7割の病院が赤字経営であることが示されていました。その後も病院経営を取り巻く環境は悪化し続けており、帝国データバンクの調査によれば、2025年の医療機関の倒産件数は66件と過去最多を更新しています。米・イラン間での和平合意がなされましたが、損傷を受けた原油施設の復旧には数年単位で時間がかかることが見込まれます。コロナ禍や物価高騰により経営体力が削られている病院は、正常化まで持つ余裕がありません。
政府もニトリルグローブの備蓄放出等を実施されており、感謝申し上げます。しかし、放出されるのは1医療機関あたり2週間分までとされています。また、グローブのみならず石油由来の医薬品や透析回路等も高騰・不足しており、十分な対応とは言えません。


 原油高・ナフサ不足は、経営に苦慮する病院に一層の追い打ちをかけるものであり、公定価格である診療報酬を主たる収入源とする病院の自助努力では、これ以上のコスト上昇を吸収することは不可能です。病院が地域医療提供体制を支え続けるためには、医療物資の供給確保と経営を支える迅速な公的支援が不可欠です。よって、国におかれては、下記の事項を講じるよう強く要望いたします。

 

 

一、医療用手袋、注射器、点滴バッグ、透析回路その他の医療物資について、供給状況を継続的に把握し、需給逼迫時には国の責任において安定供給を確保すること。拠点病院だけでなく、地域医療の根幹を担う民間病院にも、優先的に配分する仕組みを整備すること。

 

一、原油高騰・ナフサ不足による負担増について、緊急財政支援を実施すること。また、手続きが煩雑な制度ではなく、病院が速やかに活用できる実効性の高い制度とすること。

 

一、病院の診療行為はこれまでも診療報酬として適切に評価されておらず、慢性的に赤字経営を余儀なくされていることから、期中改定を行う等により、全ての病院が持続可能な医療提供体制を維持できるよう診療報酬を大幅に引き上げること。

 

以 上


原油高騰・ナフサ不足に対する病院への緊急対応を求める要望書[PDF:15KB]