公開日 2026年07月07日
2026年6月28日
厚生労働大臣 上野 賢一郎 殿
厚生労働省保険局医療課長 林 修一郎 殿
東京保険医協会
病院有床部長 水山 和之
新型コロナウイルス薬を入院料の包括対象から外してください
新型コロナ感染症は2024年でも3万5000人以上が命を落とし、日本の死因第8位となっており、依然として高齢者を中心に深刻な健康被害をもたらしております。入院又は入所者の多くは高齢者や重症化リスクが高い患者であり、ひとたび感染者が発生するとクラスターに発展し、患者が次々に死亡に至る事例も発生しています。病院・施設においては、定期的な検査及び、新型コロナ感染症患者への抗ウイルス薬の投与を行うことにより、入院・入所者の命と健康管理を担ってきました。
一方、本年5月31日を以って新型コロナ感染症の診療報酬上の特例措置が廃止され、DPC病床や療養病棟等の包括病床、介護医療院又は介護老人保健施設等では抗ウイルス薬が別途算定できなくなりました。今次診療報酬改定では、病院の赤字が深刻化する中、3.09%のプラス改定が実現しましたが、原油高・ナフサ不足により病院経営はより深刻な状況に陥っています。そのため、抗ウイルス薬を別途算定できない病床や施設が高額な抗ウイルス薬の薬剤料(点滴治療3日間で185,992円、5日間で278,988円、内服薬5日間投与でも59,630円~125,386円)を負担し投与することが難しい状況です。
一般社団法人日本感染症学会も2026年2月24日付で「新型コロナウイルス感染症の抗ウイルス薬に係る診療報酬上の取扱い終了に関する要望書」において、新型コロナ感染症の高齢者における深刻な被害や抗ウイルス薬の高い死亡率低減効果、処方控えによる死亡者数の増加を懸念し、抗ウイルス薬の診療報酬上の措置の継続(当時)を訴えています。
新型コロナ感染症は2023年5月の5類感染症移行後も流行を繰り返し、移行前と同程度の死亡者が出ており、高齢者や重症化リスクが高い患者にとっては命に係わる深刻な感染症に変わりありません。入院料等の包括範囲から抗ウイルス薬を外すことは、重症者や死亡者及び入院患者を減少させることにもつながり、政府として直ちにできる対策となります。厚生労働省におかれては、以下の項目を講じるよう要望いたします。
記
一、DPC病床や療養病床等の包括病床、介護医療院又は介護老人保健施設等に入院又は入所する新型コロナ感染症患者に対する抗ウイルス薬の薬剤料を包括対象から外すこと。
一、2026年度改定で新型コロナウイルス薬が包括病床等に包括されたことについて、包括評価が高齢者等の治療に及ぼす影響を調査・分析すること。
以 上


