東京都職員共済組合、障害年金の受給手続き 「カルテ写し提出は撤回を」の動き広がる

公開日 2013年10月25日

協会が「障害年金の受給手続き時の診療録(カルテ)写しの提出の撤回」を求める要望書を9月5日に東京都職員共済組合事務局に提出したのは、『東京保険医新聞』9月15日号、協会ホームページ「私たちの考え」(※)でお知らせした通りである。

東京保険医協会「障害年金の受給手続き時の診療録(カルテ)写しの提出の撤回を求めます」(2013.9.5付け)

東京都職員は、うつ病などの精神疾患にかかわる障害年金を申請する際、当該疾患の「カルテの写し」を初診からすべて必ず添付するよう共済組合から求められている。これは共済組合の「障害年金の受給手続きにかかる事務取扱要領の定め」により初診時からのカルテのコピーの提出が求められているためだ。

しかし、障害年金の受給手続き時に添付する資料については、他法(地方公務員等共済組合法、厚生年金保険法、国民年金法の施行規則・施行規程)では、診断書で足りるとされている。協会は東京都職員共済組合の取り扱いは、提出義務のない「カルテの写し」を内部規程で必須のものとし、提出できない組合員は受給申請ができない状態にある。協会は、「カルテの写し」の提出を求める法的根拠がないことを示した上で、患者のプライバシーを侵害し、医師と患者の信頼関係にも有害な「カルテの写し」の提出撤回を強く求めてきた。

他団体も撤回を求める要望書を提出

協会以外にも「カルテ写しの提出は撤回」を求める動きが広がっている。これまでに、東京精神科病院協会(東精協)から9月27日付で「障害年金受給手続き時の診療録(カルテ)写し提出について(要望)」が出された。東精協は要望のなかで、共済組合がカルテの写しを準備できない組合員の「障害年金受給の権利」を阻害していると指摘している。さらに10月11日付で東京都精神障害者家族会連合会から同様の趣旨で「障害年金の受給手続き時の診療録(カルテ)写し提出について(要望)」が提出された。

協会では東京都職員共済組合からの回答があり次第、会員にお知らせする。回答の内容によっては、引き続き要望を行うなど必要な対応をしていく予定だ。

(『東京保険医新聞』2013年10月25日号掲載)