重要法案 相次ぎ審議入り「医療保険改悪案」を廃案に

公開日 2015年05月05日

国会要請活動の様子

「入院時食事療養費の自己負担引き上げ(1食260円→460円)」「患者申出療養の創設」「国保の都道府県化」などを盛り込んだ「医療保険制度改革関連法案」は4月28日の衆議院本会議で自民、公明、維新各党の賛成多数で可決され、参議院に送られた。患者負担増への不安や受診抑制の広がり、国保の広域化による国保料(税)の高騰など、多くの懸念の声に耳を傾けることなく、わずか2週間の国会審議で採決を強行した。

協会は4月23日、「医療保険制度改革関連法案」の徹底した審議と廃案を求める緊急FAX要請を東京選出国会議員52人と厚労関係議員に対して行った。

また4月24日には、前日に衆議院厚生労働委員会で行われた採決強行への抗議文、「『医療保険制度改革関連法案』の審議が不十分なまま、衆議院厚生労働委員会で採決されたことに抗議します」を厚生労働大臣、衆議院厚生労働委員、東京選出国会議員宛に送付するなど、法案の廃案に向け全力を挙げている。

連休明けの通常国会では国のあり方を大きく左右する重要法案が相次いで審議入りする(下表参照)。

重要法案をめぐる主な動き(予定)
- 5月14日 「安全保障法制」を閣議決定
衆議院 5月12日 労働者派遣法改悪案/本会議で趣旨説明・質疑はじまる
5月14日 農協改革法案/本会議で趣旨説明・質疑はじまる
マイナンバー法案、個人情報保護法改定案、防衛省設置法改定案/各委員会で審議中
参議院 5月13日 医療保険制度改革関連法案/本会議で審議はじまる

 

安倍政権は、5月14日に海外での武力行使につながる「安全保障法制(戦争立法)」の閣議決定を予定している。その他、労働基準法・労働者派遣法の改悪案、協同組合への国家による支配介入につながる農協改革法案、マイナンバー法案なども、与党多数を頼りに強引に成立させる構えだ。

「医療事故調」「介護療養病床の存続」を要請

ストップ患者負担増バナー

協会は4月16日に国会議員への要請行動を行い、竹﨑副会長、細田理事が「医療事故調査制度」や「介護療養病床の存続」(「【解説】介護療養型60床病院年間1,300万円の減収!!」参照)などを中心に訴えた。初鹿明博衆議院議員(維新の党、東京比例)の秘書が面談に応じた他、宮本徹衆議院議員(共産党、東京比例)本人と事務局が面談した。また、要請行動に先立ち国会前で集会を開催し、細田悟理事が「医療事故調査制度をめぐって、諦めずに運動を続けてきた結果、厚労省検討会『取りまとめ』に我々の意見を一定反映させることができた。廃案をめざしがんばりましょう」と挨拶した。

引き続き、医療保険制度改革関連法案の廃案に向け「新たな負担増をやめ、窓口負担の大幅軽減を求める請願」署名にご協力いただきたい。

(『東京保険医新聞』2015年5月5・15日合併号掲載)