ワクチンセミナー「予防接種の基礎知識と最新情報」B肝、日脳等の接種を学ぶ

公開日 2016年07月05日

新情報が好評なワクチンセミナー

サルビア会・就労環境部と地域医療部は6月22日にワクチンセミナー「予防接種の基礎知識と最新情報」を開催し、42人が参加した。

細部千晴理事は「ワクチンの最新情報」として、B型肝炎の定期接種化に伴い、2016年4月以降に出生した1歳未満を対象に3回接種とすること、今年度生まれた児のために3回目は初回から140日以降に接種するルールとなったこと、また任意接種の対象年齢は上限を定めないことなどを説明した。

日本脳炎については2005年から5年間接種勧奨が差し控えられた期間に、接種できなかった人への救済措置として、定期接種を4歳以上20歳未満とする特例のために、3回目と4回目の接種間隔は6日以上と今回改めて規定されたことを説明、生後6カ月からの日本脳炎ワクチン接種開始を推奨とする日本小児科学会の見解を紹介した。

成瀬清子理事はB型肝炎について、ユニバーサルワクチネーション導入国が急性B型肝炎の発生頻度を下げている一方、日本では下がっていないこと、キャリア化した児の3割以上は母子感染以外であることや、過去の感染を示すHBc抗体保有者の存在等、日常生活での水平感染が示唆されることなど、定期接種化の背景についてデータを示して説明した。

また、日本人の100人に1人が感染者であると推定されるなか、慢性化しやすい遺伝子A型の急増や性 的接触によるB型急性肝炎 の増加があり、思春期のキャッチアップワクチンの必要性について述べた。

続いて「誤接種を防ぐために」として数々の例を挙げ、ワクチンの準備はひとりで責任を持って完結する、直前に保護者の前で声に出して確認するなど予防策を示し、自院に適した独自の対策を練るよう呼びかけた。

参加者にはリピーターも多く、「毎回新しい情報があり何度聞いても勉強になる」「ルールがどんどん変わっていくので、このようなセミナーはありがたい」などの感想があった。

11月26日には、要望の高いワクチンスケジュールの組み方について実践型のセミナーを予定している。ぜひご参加いただきたい。

(『東京保険医新聞』2016年7月5日号掲載)