医科歯科連携を活発に議論(練馬)

公開日 2013年07月05日

18人が参加し活発な意見交換が行われた

練馬支部は6月6日に生涯学習センターで、医科歯科連携をテーマに支部例会を開催し、医科協会7人、歯科協会10人、千葉協会1人の18人が参加した。

佐々木支部長の連携推進の挨拶に続いて、森元歯科協会副会長と竹﨑副会長は「実際に地域の中で医科歯科連携を進め、患者を紹介しあえるようにしたい」と声を揃えた。

千葉協会の三辺理事は「医科歯科連携による歯周病と糖尿病スクリーニングの実施と有用性評価に関する調査研究」と題し、歯周病が糖尿病のリスク因子になるということを軸に、千葉協会での2年間の医科歯科のスクリーニングの取組みを紹介。歯周病治療が糖尿病の進行抑制や合併症予防に効果があること等を報告した。また、双方向の紹介により受診中断率の低下が期待できることを挙げ、療養指導の徹底と継続が医療効果として高いことを浸透させるためにも、糖尿病連携手帳の普及への東京での参加を呼びかけた。

申理事は「睡眠時無呼吸症候群(SAS)における医科歯科連携」と題し、軽症のSAS患者を口腔内装置(OA)で治すことを目的に、医科から歯科へ紹介する基準や、歯科で保険算定可能となる要件について説明した。

また入院不要の簡易睡眠モニターを紹介し、「検査は金も時間もかかるというOA患者をどうフォローしていくか」という参加者に応えるとともに、OA作成後も医科で簡易モニターによりOAの有効性を評価するよう求めた。続いて歯科協会の浜崎理事は、SAS講習会と連携名簿登録の取組みを紹介し、東京医科・歯科両協会で昨年から開始している連携名簿の活用を呼びかけた。

参加者からは「OAを作りたい患者がいるが近くに紹介できる歯科を知らなかった。連携名簿に近くの先生がいたら是非紹介したい」「OA作成法は標準化されているのか」「名簿は画期的だが、より有効に活用するためにはデータだけでなく実際に顔を合わせて紹介相手を認識することが大切」など活発に意見が出された。互いに状況把握をして面識ができ、より連携が拡がる手ごたえを得た例会となった。

「医科歯科さらなる診療連携を」

申 偉秀 医科歯科連携委員会委員

申 偉秀
(医科歯科連携委員会 委員)

6月25日の医科歯科連携委員会でも今後の医科歯科診療連携のツールとして睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療手段である口腔内装置(OA)がクローズアップされました。昨年来東京医科・歯科両協会では連携プロジェクトとしてSAS診療をしている医科診療所と歯科協会主催のOA講習会を受講した歯科診療所の名簿を作成し、実際の連携が開始されています。

6月6日の練馬支部例会での懇談を通して、

① 歯科の先生の中で医科からのOAの紹介の敷居が高くあまり紹介がないであろうと予想されていること

② OA作成後にOAの効果評価のために紹介元の医科で再度睡眠モニター検査をしていただきSASにおけるOAの効果を明らかにしたいこと

など、活発な意見がでました。

今後の普及への問題点として、歯科でのSASの問診表の作成や、OA作成の診療報酬が低く管理料などがないことなどが明らかになっており実地での診療連携を通じて今後の運動につなげたいと思います。