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医療関連ニュース 外来患者の管理点数として定着するか!? 地域包括診療料・地域包括加算

公開日 2014年03月15日

今次改定で、外来の機能分化推進という観点から「主治医機能の評価」として設定されたのが、「地域包括診療料」と「地域包括診療加算」である。この2つはどちらか一方しか届け出ることができないとされている。これらの主な特徴を見てみよう。

地域包括診療料

「地域包括診療料」(月1回/1,503点)は、200床未満の病院および診療所で算定できる届出制の包括点数だ。算定対象患者は、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、認知症の4疾病のうち2つ以上を有する患者で、複数の疾患を管理することが条件のため、算定できるのは多くの場合1医療機関のみとなるが、管理する疾患が重複していない場合、2つの医療機関での算定が可能となる。

包括の範囲(早見表参照)は、再診料の各加算(時間外・休日・深夜、他)、在宅医療の在宅療養指導管理料、薬剤料以外、ほとんどの点数が包括される。在宅医療の点数では、往診料、訪問診療料、在宅時医学総合管理料、特定施設入居時等医学総合管理料が包括されているため、主な対象は外来通院患者となる。なお、厚労省は、在宅患者訪問診療料との関連で訪問診療の必要性が低い患者の場合は通院をしてもらい、地域包括診療料を算定することを、わざわざ通知に明記し勧奨している。

該当患者の全ての通院医療機関や処方薬を把握し一元的に管理することが求められる他、健診の受診勧奨、介護保険の相談と主治医意見書の作成、さらに24時間体制の在宅医療も求められる。

なお、「投薬」では病院、診療所とも「院内処方」が原則とされている。院外処方を行う場合、病院では「24時間開局」している薬局との連携が求められる。さらに、薬局の「お薬手帳」を持参させ、そのコピーをカルテに貼付することとされている。

診療所では「24時間対応」の薬局との連携の他、時間外対応が可能な薬局のリストを渡したうえで、患者の同意がある場合に限り、他の薬局での処方も可能としている。また、診療所においても「お薬手帳」のコピー貼付が求められる。

診療所における算定要件は、①24時間対応(「時間外対応加算1」の届出)がされていること、②常勤医師が3人以上在籍していること、③在宅療養支援診療所であること―以上の3条件を全て満たしている必要があり、一般の無床診療所での届出は、ほぼ不可能といわれている。とりわけ②の要件は多くの診療所で満たすことは困難だ。

一方、病院にとっては、「24時間開局薬局」での処方がネックとされている。

地域包括診療加算

それに対し、「地域包括診療加算」(1回につき20点)は再診料の加算点数で、診療所のみ算定可能である。対象患者は地域包括診療料と同様だが、算定要件は前項①については夜間数時間の体制(「時間外対応加算2」の届出)でもよいとされ、さらに①②③のうちいずれか一つが満たされていれば届出ができるなど、要件が緩和されている。(早見表参照)。

とはいえ、担当医師は関係団体主催の研修(2015年4月実施)を修了することや、薬剤は原則として院内処方にすることなどの要件は地域包括診療料と同様だ。また、算定対象となる患者全ての通院医療機関や処方薬を把握し一元的に管理することが求められること等も同様である。「患者のすべての受診・服用歴状況を一元管理し24時間対応も求められるのでは、その手間に対する充分な評価とは言えない」との意見もある。

さらにお薬手帳のコピーの貼付をはじめ、紙面の都合で詳述はできないがカルテ記載事項も定められている。事務的負担も大きく、個別指導時には指摘の対象となる可能性もある。

24時間「対応」薬局の現状

地域包括診療料/地域包括診療加算と大きな関わりを持つのが、24時間「対応」薬局だが、現状はどうか。

調剤報酬において24時間「対応」薬局は、調剤料の加算点数として「基準調剤加算1」を届け出ている調剤薬局が該当する。要件は、500品目以上の薬品を備蓄し、緊急時等、開局時間以外には地域薬剤師会など輪番制で参加する近隣の薬局により常時調剤できる体制が整備されていることと規定されている。

中医協の発表によると、2013年9月現在、この「基準調剤加算1」を届け出ている調剤薬局の届出件数は、全国で2万1540件。さらに要件の厳しい「700品目以上の薬品を備蓄」している「基準調剤加算2」を届け出ている調剤薬局は、6,979件。計2万8,519件である。

東京都内では、3月1日現在、「基準調剤加算1」「2」を合わせて約2750の調剤薬局が届け出ている(関東信越厚生局東京事務所)とされているが、24時間「開局」薬局となると、都内でも2件程度しかないといわれている。果たして厚労省が描いた通りの24時間の医薬連携は可能なのか、まだまだ不明の点も多い。

今次診療報酬改定は、診療現場、特に診療所の実態とあまりに乖離しており、厚労省の強引な政策誘導と言わざるを得ない。今後の医薬連携のあり方については、充分な検討が必要だ。

地域包括診療加算・地域包括診療料の早見表

★ 6月13日追記:「往診料」を削除しました。
(『東京保険医新聞』2014年3月15日号掲載)


★2016年4月に診療報酬改定がありました。