公開日 2016年11月28日
日時
2017年2月19日(日) 14:30~17:40
会場
お茶の水・連合会館「2階 大会議室」【連合会館HP】
東京都千代田区神田駿河台3-2-11 03-3253-1771(代)
全体テーマ
「止めてはいけない!?
抗血栓療法の休薬と医科・歯科治療 ー 医師、歯科医師、弁護士の立場から」
抗血栓療法施行中に、外科処置が必要になった時の実臨床においては、休薬することによる血栓、塞栓の合併、逆に出血を誘発する問題が常に懸念されます。
本安全講習会では、本邦においては、この問題の医科・歯科・法律領域におけるオピニオンリーダーとして著明な先生方に講師を担当していただけることになりました。通常の学会や講演会ではあり得ないコラボレーションですので奮ってご参加ください。
講師
▼「抗血栓薬、勝手に止めると悔い残す!」
矢坂 正弘 先生(医師、国立病院機構 九州医療センター 脳血管・神経内科 科長)
周術期に抗血栓薬を休薬すると、脳梗塞やその他の重篤な血栓・塞栓症のリスクが上昇する。ワルファリン療法を休薬すると重篤な血栓・塞栓症を約1%の頻度で発症し、多くは重篤である。アスピリンを休薬すると脳梗塞発症のリスクが3.4倍上昇するという。抜歯時は抗血栓薬継続下での安全な抜歯法が確立しており、その実践が求められる。特殊な状況下で休薬せざるを得ない場合は、休薬が血栓・塞栓症のみならず、出血や死亡のリスクと関連することから、十分な説明に基づく同意が必要である。
▼「『科学的根拠に基づく抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン2015年改訂版』のポイント
― DOAC服用患者の抜歯時の対応」
矢郷 香 先生(歯科医師、国際医療福祉大学三田病院 歯科口腔外科 部長)
抜歯時には出血のリスクを避けるために、抗血栓薬の投与中断が慣習化されていた。しかし、抗血栓薬中断による脳梗塞などの血栓・塞栓症イベント合併の危険性が問題視され、2010年に「科学的根拠に基づく抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン」が作成され、抗血栓薬継続下での抜歯が推奨された。その後5年が経ち、DOACも登場したためにガイドラインが改訂された。本稿では、2015年改訂版ガイドラインとDOACを中心とした抗血栓薬服用患者の抜歯時の対応について解説する。
▼「抗血栓療法をするとき・・・必要なバランス感覚」
三田村 秀雄 先生(医師、国家公務員共済組合連合会 立川病院 病院長)
社会の高齢化が進み、血栓塞栓症が増加する今、抗血栓療法の重要性がますます増加している。一方で、抗血栓療法の普及は必然的に大出血の増加を招く。社会的見地からは、抗血栓療法による血栓塞栓症の減少と大出血の増加を天秤にかけることになるが、この同じバランス感覚を各患者個人に当てはめることは必ずしも容易ではない。社会と個人のバランス感覚も求められている。
※ 本演題の講師が「山下 武志先生」から変更となりました。あらかじめご了承ください。
▼「血栓と出血の法的リスクマネジメント」
田邉 昇 先生(医師/ 弁護士、中村・平井・田邉法律事務所 血液内科医)
ところが、患者は往々にして、この理を受け入れず、薬剤の副作用は出した医者が悪い、予防できなければ医者が放置したと言って責め立てる。裁判の世界では、患者や遺族のこのような誤解を弁護士が最大限増幅して、「協力医」と称する医師免許取得者と二人三脚で紙つぶてを打ってくる。おまけに近時は、勘違いした医者が、裁判官気取りで「事故調」を振りかざす。さて、どうしたものか。
参加費
会員医療機関 無料(コメディカル、スタッフの方も歓迎です)
定員
200名(要予約)
備考
当日は、医療法が定める「医療安全対策の研修」として、受講証を発行致します。お申込みの際に必ず参加者のフルネームをお知らせください。
また、ご希望の先生方には、日本医師会 生涯教育制度の単位申請(78:脳血管障害後遺症、4:医師-患者関係とコミュニケーション、74:高血圧症、6:医療制度と法律、7:医療の質と安全)に必要な受講証も当日の受付でお渡しします。
申込み
※ホームページからのお申し込みは締め切りました。主催
東京保険医協会(医科歯科連携委員会/研究部)東京歯科保険医協会
問合せ
東京保険医協会 担当:杉山、中村
TEL:03-5339-3601/FAX:03-5339-3449