公開日 2017年03月15日

東京保険医協会では、新たな患者署名「医療・介護の負担増の中止を求める請願署名」(5月25日〆切)に取り組んでいます。署名に熱心に取り組んでいる拝殿清名協会理事にお話を伺いました。
先月から、署名ハガキ入りのティッシュを活用して患者さん一人ひとりに国が推進する患者負担増の内容を説明し、署名の協力を呼びかけています。今国会で審議されている患者負担増計画は、高齢者を狙い打ちにした内容で疑問を感じます。
なかでも65歳以上の療養病床の患者の居住費負担、いわゆるホテルコストの引き上げについては危機感を持っています。医療の必要性の高い患者さんで、これまで負担のなかった方も来年4月から1日370円、それ以外の患者さんでも10月から1日370円に値上げしてしまいます。これだけでなく65歳未満の入院患者から居住費を徴収するなど、対象患者の拡大も検討されています。絶対に許すことはできません。
施設入所者は家賃などの負担がないとの意見がありますが、夫婦どちらかが入所している場合や、老健施設のように在宅に戻ることを前提としている施設の場合では、ホテルコストの二重負担を強いることになりかねません。
診療所にみえる患者さんはお年寄りの方が多いです。ひとり当たりの国民年金の平均支給額は月額約54,000円ですが、そのなかから居住費、食費、水道光熱費、医療費を捻出していかなければなりません。
患者さんに寄り添う医療を続けていくため、署名を集めていきたいと思います。
(『東京保険医新聞』2017年3月15日号掲載)