関電の申し立てを却下――高浜原発3、4号機 運転停止を継続

公開日 2016年07月15日

福井県高浜原発3・4 号機 運転差し止め訴訟の経緯

6月17日、大津地裁は福井県・高浜原発3・4号機の運転差し止めを命じた3月の「仮処分決定」について、関西電力による「決定効力の執行停止」の申し立てを却下した。

これにより、 仮処分決定自体への「異議申立て」の結論が出るまでは、原発の再稼動は強行できなくなった。決定を受け、関西電力では運転停止の長期化を見越して、いったん燃料棒取り出し作業を始めている。

一方、運転開始から40年を超えた1・2号機の運転期間を最長20年延長する申請が6月20日に原子力規制委員会によって認められた。

関電は福井県と高浜町らの同意を取りつけつつ、早ければ2020年ごろに再稼動させたいとしている。さらに愛媛県・伊方原発3号機でも、7月下旬の再稼動に向けた準備が着々と進む。

福島原発の事故から5年3カ月、今も宮城県などでは一部の海産物では輸出先が見つからずに大量廃棄を迫られている。

原発は人類がコントロールできない「異質な危険」をもち、わずか40~50年前後の電力確保のために数万年の残滓管理を必要とする。原発回帰ではなく、安全なエネルギーを供給する体制作りを望みたい。

(『東京保険医新聞』2016年7月15日号掲載)