保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

【シリーズ】参議院選挙後の患者負担増計画(4)/「入院時の居住費」全ての病床に拡大――理由は“在宅患者との負担の公平性”?

公開日 2016年06月15日

図_入院時の食事代・居住費の患者自己負担増のイメージ(一般所得)

1994年の入院時の食事代につづき、2006年から医療療養病床に導入された「入院時生活療養費」。現在は療養病床に入院する患者のうち、65歳以上で医療区分Ⅰの場合は、居住費(光熱水費相当)として1日につき398円、このうち78円を保険給付が負担、残る320円が患者負担となっている。

導入当初は、医療療養病床が介護施設等と同様に「住まい」としての機能を有しているとし、“負担の公平”を図る名目で介護施設で入居者負担となっていた「居住費」を、入院基本料とは別に自己負担させるものだった。

2015年10月9日の財政制度等審議会は、今度は“在宅患者との負担の公平”を名目に、医療療養病床に入院する医療区分Ⅰの患者だけでなく、医療区分Ⅱ・Ⅲの患者にも自己負担を導入し、さらに一般病床等の入院患者にまで、その対象を拡大することを提言した。低所得者や難病・小児慢性等の患者については対象外とする見通しだが、そのほかの患者は1日につき320円、月におよそ1万円の負担増となる。

居住費だけではなく、入院時の食事代も負担増が続く。昨年成立した「医療保険制度改革関連法」により、原則として本年4月からは一食に付き360円へ、2018年からは460円へと段階的に引き上げる。治療上必要があって入院しているにもかかわらず、食事代や居住費の支払いが困難な患者は、退院を余儀なくされる恐れもある。

政府が示す“負担の公平化”は、患者負担を“低い”方から“高い”方へと引き上げていくものばかりだ。

(『東京保険医新聞』2016年6月15日号掲載)