公開日 2016年05月25日
都内で唯一、成人の風しん予防接種助成を打ち切っていた千代田区が、この4月から同事業を復活させたことが分かった。対象は、19歳以上49歳以下の妊娠を予定または希望している女性のみで、抗体検査の結果、抗体価が基準値に達していない区民だ。区の担当者によると、復活の理由は転入者からの希望が寄せられたためとしている。
同区は2014年度には20歳~49歳の成人男女ともに風しん予防接種を全額助成していたが、ほぼ目的を達成したとして、15年度は助成を止めていた。
協会は昨年12月に助成再開を求める要望書を提出しており、多くの市民・医療者の声が区政を動かした結果である。
東京都内の他の区市町村では、2016年度も成人の風しんワクチン費用助成制度が延長されている(表)。妊娠を希望する女性、またそのパートナーに対して、積極的な予防接種を勧めたい。
女性 | 男性 | 女性 | 男性 | ||
千代田区 (復活!) |
● | ー | 八王子市 | ● | ー |
立川市 | ○ | ー | |||
中央区 | ● | ● | 武蔵野市 | ○ | ー |
港区 | ○ | ー | 三鷹市 | ○ | ー |
新宿区 | ○ | ○ | 青梅市 | ○ | ー |
文京区 | ● | ● | 府中市 | ○ | ー |
台東区 | ● | ー | 昭島市 | ● | ー |
墨田区 | ● | ● | 調布市 | ○ | ー |
江東区 | ● | ー | 町田市 | ○ | ー |
品川区 | ● | ● | 小金井市 | ○ | ー |
目黒区 | ● | ● | 小平市 | ○ | ー |
大田区 | ● | ー | 日野市 | ● | ー |
世田谷区 | ○ | ー | 東村山市 | ○ | ー |
渋谷区 | ● | ー | 国分寺市 | ○ | ー |
中野区 | ○ | ○ | 国立市 | ○ | ー |
杉並区 | ● | ○ | 福生市 | ○ | ー |
豊島区 | ● | ● | 狛江市 | ○ | ー |
北区 | ● | ー | 東大和市 | ● | ー |
荒川区 | ● | ● | 清瀬市 | ○ | ー |
板橋区 | ● | ー | 東久留米市 | ○ | ー |
練馬区 | ● | ● | 武蔵村山市 | ● | ー |
足立区 | ○ | ー | 多摩市 | ● | ー |
葛飾区 | ○ | ー | 稲城市 | ○ | ー |
江戸川区 | ○ | ー | 羽村市 | ○ | ー |
●:該当者は全額公費で助成(無料) ○:該当者は一部費用を助成 ー:助成なし |
あきる野市 | ○ | ー | ||
西東京市 | ○ | ー | |||
瑞穂町 | ○ | ー | |||
日の出町 | ● | ー | |||
檜原村 | ● | ー | |||
奥多摩町 | ● | ー |
なお、千代田区では、母親の里帰り先や子どもの長期入院での定期予防接種費用についても還付制度をスタートさせた。里帰り先に同行する兄弟も対象となり、最近では新たに新宿区、文京区、東村山市などが導入したことで注目されている。
協会では、今年度も各自治体の各種予防接種事業を調査する予定である。風しん予防接種事業については、都・区市町村に対し、拡充を求めるとともに、成人男性も含め、抗体検査を前提としない制度とするよう引き続き要望していく。
(『東京保険医新聞』2016年5月25日号掲載)