【シリーズ・対都請願の論点①】 都内「子ども医療費助成制度」の窓口負担・所得制限等の現状

公開日 2017年09月20日

協会の要望実る!10月から日野市が自己負担撤廃/国分寺市は所得制限廃止

協会は、都内の全自治体を対象に「乳幼児医療費助成制度(マル乳)」「義務教育就学児医療費助成制度(マル子)」に関する調査を実施した。

マル子に関しては日野市が自己負担を撤廃、国分寺市では所得制限を廃止することが明らかとなった。マル乳については昨年度から変更はない。

義務教育就学児に対する医療費助成を行うマル子制度では、外来受診した際に窓口で200円の自己負担が発生する。区部では23区すべてが独自に自己負担金相当額を助成することにより、実質的にはマル乳と同様の医療費無料化が実現しているが、三多摩地区では、5自治体(武蔵野市、府中市、日の出町、奥多摩町、檜原村)にとどまっていた。

2017年10月から、日野市ではマル子の全額助成を開始し、自己負担を撤廃する。これは南多摩地区でははじめての取り組みであり、歓迎したい。しかし、所得制限については従来どおり存続する。自己負担を撤廃している区市町村は日野市を除いて、所得制限も撤廃しており、今後、日野市においても所得制限撤廃の議論が進展することを期待する。

一方、国分寺市は2017年10月から「小学校3年生修了前」までの児について「所得制限」を撤廃する。これは隣接する国立市と同様の施策だ。先行する周辺自治体の取り組みに足並みを揃えたもので、改善の連鎖といえる。今後は所得制限廃止の対象年齢の拡大、自己負担の撤廃にも踏み込むことが望まれる。

そのためには都や国には人員・施設・財政面で区市町村を支援することが求められる。子ども医療費助成制度においても、自治体間格差を解消していくために都や国の積極的支援が必要だ。

特に政策マニフェストのなかで多摩地域の医療・福祉・教育の格差解消、子ども医療費の無料化支援を掲げている都議会与党の「都民ファーストの会」には公約の実現を強く求めたい。

協会は都や都議会各会派に自己負担200円の撤廃、助成の対象を18歳まで拡大するよう要望するなど、三多摩格差是正と子ども医療費助成制度の拡充に引き続き取り組んでいく。

図_都内「子ども医療費助成制度」の窓口負担・所得制限等の現状

(『東京保険医新聞』2017年9月15日号掲載)