公開日 2017年12月28日
サルビア会・就労環境部は11月25日、ワクチンセミナーを開催し、会員医師、医療従事者ら22人が参加した。今回は昨年に続き、患者ごとのワクチンスケジュールを実際に立てる実習を主眼に開催した。
セミナーは細部副部長の司会で進行、はじめに成瀬部長が開会挨拶を行うとともに、日本における小児の予防接種の概要を解説した。
現在、日本では生後2カ月からスケジュールを立てて、最低11種類のワクチンを接種することになる。Hib、小児用肺炎球菌、B型肝炎、DPT+IPV等各ワクチンにはそれぞれ標準的接種時期があり、その上定期接種として助成を受けられる期間も別途定められている。また、スケジュールの都合上、同日に複数のワクチンを接種することは避けられない。こうした諸要素を加味してワクチンスケジュールを立てる必要がある。
今回は4つの例題を通してワクチンスケジュール立案に取り組む旨が説明された。
その後、4つの班に分かれた参加者は、班ごとに小児科医の指導のもと、約1時間かけて課題のスケジュール作りに取り組んだ。
最後の全体会では、ワクチンを拒否する保護者に対してどのように接種を奨めたらよいかという質問が出され、最終的な判断は保護者がするが、拒否されても必要性を説明し訴えを続けるようにしているなど、苦心していることを複数の講師が述べた。
参加者からは「ワクチンに関するモヤモヤが晴れた」「他院の医師の話を聞くことでいつも実施していることに自信が持てた」「講義を聞いて理解したつもりだったが、実際にやってみるとスケジュール作成の難しさがわかった」、などの感想が寄せられた。
(『東京保険医新聞』2017年12月25日号掲載)