指導・監査問題で帯同弁護団と懇談「帯同は被指導者の権利」

公開日 2018年01月31日

180125_01_帯同弁護士との懇談

審査指導対策部は、協会の個別指導帯同弁護士団との懇談会を12月14日に開催し、近年の帯同事例の報告と意見交換を行った。出席者は、東京中央法律事務所から、加藤文也、渕上隆両弁護士、江東総合法律事務所から、田辺幸雄、中村優介両弁護士。協会審査指導対策部から、浜野博部長、赤羽根巖・拝殿清名・森本玄始各部員が参加した。

意見交換の中で、最近では帯同弁護士が被指導者の隣席に座ることも当たり前になり、診療内容以外の発言をしても咎められなかった事例もあるなど一定の改善傾向はみられることが判明した。その一方で、弁護士が帯同していない席からは指導官の暴言が聞こえてくるなど、未だに旧態依然の指導が行われている実態も明らかとなった。

また、指導側が個別指導を一方的に中断することがある問題については、被指導側の準備不足等により一旦中断した方が被指導医の利益となるケースもあることから、中断そのものの是非とは分けて考えた方がよいのではないかとの意見も出された。

個別指導において求められる自主返還について、厚生局は、算定要件を満たさない診療報酬については不当利得であり、返還するのが当然だという姿勢を崩さないが、厚労省や厚生局には請求権はないという見解で一致。返還を強要された場合は、行政手続法に基づいて違法だと主張することはできるのではないかとの意見があったほか、自主返還を求める法的根拠については、厚労省・厚生局に対し団体として議論や要請をしていくべきだとの指摘があった。

懇談を通して、指導医療官等による高圧的な指導や保険医の人格を否定する発言が行われないよう弁護士が帯同して監視することの重要性が改めて認識された。協会は今後も帯同弁護士と定期的に懇談し、必要な情報を会員に周知していく。

審査指導対策部では、個別指導時に帯同できる弁護士を紹介している。個別指導の通知が来た際は、気軽にご相談いただきたい。

(『東京保険医新聞』2018年1月25日号掲載)