公害環境対策部・首都圏外郭放水路を視察

公開日 2018年06月04日

180425_02_首都圏外郭放水路(地上施設)

地上施設

180425_02_首都圏外郭放水路(調圧水槽)

地下神殿を思わせる調圧水槽

地底の巨大地下放水路、毎秒25mプール1杯分を排水

公害環境対策部は、4月7日、国土交通省江戸川河川事務所が主催する首都圏外郭放水路(埼玉県春日部市)の見学会に11人で参加した。

埼玉県東部の利根川流域は、海抜からの高低差が少なく、昔から洪水がたびたび発生する場所であった。首都圏外郭放水路は、この地域を流れる中川、倉松川、大落古利根川などの中小河川の洪水を地下に取り込む直径30m・深さ70mの5つの立抗と、調圧水槽、排水機場およびそれらをつなぐ全長6.3kmの地下50mを貫くトンネルからなり、1993年の着工から13年の歳月と約2,300億円の工費をかけて2006年に完成した。

排水機場には航空のエンジンを転用したポンプが4台あり、合計で毎秒200m2(25mプール1杯分)を江戸川に排水することが可能だ。これにより、2006年からの約10年間でのべ1,000億円を超える浸水被害を軽減する効果を発揮したとされている。

当日は、庄和排水機場の近くの地上から116段の階段を下り、長さ177m、幅78m、高さ18mにおよぶ調圧水槽を見学した。

参加者からは、「首都圏外郭放水路は年間に平均7回程度稼動しているとのことだが、稼動のためのコストはどれくらいかかるのか」「そもそも水田だった土地を宅地にしたために洪水が起こりやすくなったのではないか」との声が出された。

(『東京保険医新聞』2018年4月25日号掲載)