2018年度指導計画―5月31日 集団的個別指導を実施

公開日 2018年06月22日

関東信越厚生局東京事務所は、協会が開示請求した2018年度の指導計画と各科別平均点数を明らかにした。

今年の集団的個別指導は5月31日に全科を対象に開催される予定だ。なお、11月と1月に予備日が設定されているが、必ず行われるものではなく、開催は未定となっている(表1)。集団的個別指導の2018年実施予定件数は481件であり、昨年度の451件から30件増えている。

表1 2018年度 指導計画表(医科)
指導種別 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
集団的個別指導             (○)   (○)    
個別指導 病院          
診療所    
新規指導
(診療所)
   

※○印は実施予定、(○)印は未定

集団的個別指導は、医療機関を表2のように類型区分ごとに分け、1件あたりのレセプトの平均点数が高い順に医療機関を集めて講習会形式で指導を行う。レセプトは、2018年度の指導の場合には2017年度のいずれかの期間が対象となる。どの月が対象となるかは今のところ明らかにされていない。

指導対象は、東京都の平均点数の1.2倍、病院は1.1倍であり、更に平均点数が類型区分ごとの医療機関数の上位8%に該当する医療機関とされる。集団的個別指導を正当な理由無く欠席すると、個別指導の対象となるため注意されたい。集団的個別指導は、点数が高いという理由のみで多くの医療機関を集め、指導を行うという不合理な仕組みであり、協会は廃止を求めている。

表2 類型区分ごとの各科別平均点数 東京都

類型区分
(診療所)

平均点
(院内処方・院外処方を含む)
基準平均点
(平均点×1.2)
(病院は、×1.1)
集団的個別指導
選定数
内科 (その他) 1,209 1,451 146
(在宅支援診) 1,673 2,008 95
(人工透析) 9,523 11,428 21
精神・神経科   1,486 1,783 26
小児科   1,277 1,532 9
外科   1,353 1,624 13
整形外科   1,294 1,553 36
皮膚科   739 887 37
泌尿器科   1,107 1,328 2
産婦人科   1,114 1,337 26
眼科   801 961 49
耳鼻咽喉科   1,007 1,208 21
診療所小計 481
一般病院
(老人病院を含む)
  52,344 57,578 27
精神病院   38,076 41,884 1
臨床研修病院等   62,396 68,636 7
病院小計 35

昨年は協会の要望が実現し、集団的個別指導に選定された医療機関が、自院の平均点数の開示を求めた場合は必ず回答するよう、厚労省から各地方厚生局に対して事務連絡を出している。選定された医療機関の開設者または管理者は、電話等により厚生局に対して自院の平均点数を開示請求することができる。

診療所への新規個別指導(新規指導)は、今年度は4月と8月を除いた全ての月で行われる予定だ。新規指導は、新規開業や法人化等をした医療機関に対して開業後半年から2年程度の間に行われる。新規指導自体は新規開業等を理由に行われるものであり、保険請求や診療内容に問題があると見なされて選定されるものではないが、東京では新規指導から再指導となる割合が10%前後と近年高い水準で推移している状況があり、注意が必要である。

一方、診療所への個別指導は、今年度は新規指導と同様に4月と8月を除いた全ての月で行われる予定だ。個別指導は新規指導とは異なり、再指導や、患者・保険者・審査支払機関などからの情報提供などの理由で実施される。個別指導の結果、再指導になるケースも多く、東京では近年50%前後が再指導となっている。

個別指導は相談できる窓口が少なく、1人で抱え込んでしまうケースが少なくない。指導の通知が届いた際にはぜひ協会にご相談いただきたい。

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(『東京保険医新聞』2018年5月5・15日号掲載)