共済カフェを開催―医師の最大のリスクは“休業”

公開日 2018年12月13日

[写真]共済カフェ

 

備えには共済制度の活用を

 9月27日、共済部は三井住友海上あいおい生命と共催で共済カフェを開催し、会員・会員家族など28人が参加した。「突然降りかかる“人生崩壊のリスク”に備える」と題し、Gift Your Life株式会社の永田裕一氏が講演した。永田氏は「医院経営にまつわるビジネスリスク」と「医師とその家族を取り巻くリスク」の2つに大別し、最近の事例も交えて解説。

 前者では、クチコミサイトの影響を取り上げた。元従業員からの誹謗中傷や、いわれのない低評価などが書き込まれる事例が増加、特に小児科や産科・婦人科など、クチコミサイトの利用傾向が強い患者の多い診療科で深刻となっている。

 段階的な対応例として、①患者からの書き込みに対して真摯にオーナーコメントを書き込む、②あまりにも実態と乖離した書き込みには掲載元に削除要請をする、③悪質な事例には書き込んだ本人を特定する、などを紹介した。また、高評価のクチコミを増やすことで、低評価の書き込みを“中和”する方法もあるとした。

 後者では、自身が経営者であり、かつ診療の現場に立ち続ける医師にとっての最大のリスクは「病気や怪我による休業」であるとし、医師本人だけでなく家族、従業員の生活に最も大きな影響を及ぼすと強調した。
休業中に収入がなくなるだけでなく、治療費・生活費、設備・不動産ローンの支払い等の支出も念頭におかなければならず、最近では4~6カ月程度の休業にも耐えうる資金を予め準備する例も増えているという。

 「休業保障」や「所得補償保険」、万が一の「死亡保険」などを活用した備えが不可欠であると語った。所属する団体が共済制度を扱っている場合は、掛金が手頃で給付も充実しているため、第一に活用すべきと結んだ。

 参加者からはクチコミサイトについての質問が多く出されたほか、「普段聞けない話を聞くことができた」「投資や資産運用などの売り込みが頻繁にあるが、本業に関わらないことは詳しくなかったので勉強になった」「リスクについて考えるきっかけになった」などの感想が寄せられた。

(『東京保険医新聞』2018年10月15日号掲載)

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