公開日 2018年12月28日
12月6日厚労省レクチャーの模様
東京保険医協会は、2018年の麻疹・風疹の流行を受けて、抗体価の低い世代に対し、男女問わず、抗体検査なしに、ＭＲワクチンを公費で接種することを求め、6本の要望書と2件のパブリックコメントを厚生労働省に提出してきました。
関係者の粘り強い運動の結果、厚生労働省は12月13日、39歳～56歳の男性を対象として風疹の抗体検査を実施し、低抗体価であった対象者にＭＲワクチンの公費接種を3年間実施することを決定しました。
協会の長年の要望であった“抗体価の低い世代に対する風疹の定期接種化”が実現することになりました。「男性のみの実施」、「抗体検査が前提」など不十分な点はありますが、より良い定期接種化となるよう今後の動向を注視し、要望を続けていきます。
2018年の協会活動の流れを時系列で紹介します。
①2018年5月23日 麻疹「輸入感染」への緊急対策を求める要望書を厚労省に提出（【0523】麻しん「輸入感染」への緊急対策を求める要望書[PDF：95KB]）
―2018年3月17日に台湾から沖縄を訪れた旅行者を発端者とした麻疹流行を受けて。
②2018年6月4日 ＭＲワクチン不足の解消とワクチン供給体制の抜本的改善を求める緊急要望書を厚労省に提出（【0604】MRワクチン不足の解消とワクチン供給体制の抜本的改善を求める緊急要望書[PDF：112KB]）
―麻疹流行によるＭＲワクチン不足を受けて。
③2018年9月7日
「風しんに関する特定感染症予防指針の一部を改正する件（案）」に関する意見（【0907】（風しん）特定感染症予防指針改正についてのパブコメ[PDF：518KB]）
「麻しんに関する特定感染症予防指針の一部を改正する件（案）」に関する意見（【0907】（麻しん）特定感染症予防指針改正についてのパブコメ[PDF：511KB]）を厚労省に提出
―特定感染症予防指針改正案に対するパブリックコメント。
④2018年10月16日 風疹大流行への緊急対策を求める要望書（【1016】風疹大流行への緊急対策を求める要望書[PDF：109KB]）を厚労省に提出
―風疹患者の累積報告数が1,000人を超えたことを受けて。
⑤2018年10月26日 東京都は19歳以上で、以下のいずれかに該当する者を対象に予防接種を抗体検査と一体的に実施することを決定した（http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/kansen/fuushin.html）。
（1） 妊娠を予定又は希望している女性
（2） 妊婦の同居者
（3） （1）の同居者
⑥2018年11月26日 ワクチン供給不足の解消を求める緊急要望書（インフルエンザ、ＭＲ／【1126】ワクチン供給不足の解消を求める緊急要望書[PDF：110KB]）を厚労省に提出
―協会は11月16日～21日にかけて「予防接種に関する緊急会員アンケート」を実施。インフルエンザワクチンとＭＲワクチンの不足の実態が明らかになったことを受けて（調査結果概要ＰＤＦリンク）。
⑦2018年12月6日 ワクチン供給不足の解消を求める緊急要望書（インフルエンザ、ＭＲ／【1206】ワクチン供給不足の解消を求める緊急要望書（3協会連名）[PDF：95KB]）を千葉県保険医協会、大阪府保険医協会と共同で厚労省に提出
―厚労省の抗体検査を前提とした風疹の定期接種化の方針に対して、「抗体検査なしに」を再度要望した。同日国会内で厚生労働省レクチャーを実施した。
⑧2018年12月13日 保団連マスコミ懇談会
―「予防接種に関する緊急会員アンケート」結果と風疹の定期接種化に対する協会の見解を発表した。ＮHＫニュースでＭＲワクチン不足の協会調査結果が報道された。
⑨2018年12月17日 2019年度東京都予算・施策等に関する緊急の請願（【1217】2019年都予算緊急請願[PDF：136KB]）を小池百合子東京都知事に提出
―2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催都市として、風疹の流行を防ぐため、低抗体価の世代に対して、男女を問わず抗体検査なしにＭＲワクチンを公費で接種すること等を東京都に要望した。
⑩2018年12月21日 風疹の定期接種化に関する緊急要望書（【1221】風疹の定期接種化に関する緊急要望書[PDF：114KB]）を厚労省に提出
―千葉県保険医協会、風疹をなくそうの会『hand in hand』、ＮＰＯ法人ＶＰＤを知って、子どもを守ろうの会と共同で、厚労省要請・記者会見を実施した。ＮＨＫニュースで報道された。
以上
