荒川支部例会を開催―オンライン資格確認、問われる個人情報の扱い

公開日 2019年01月11日

[写真]荒川支部例会

 荒川支部は11月26日、ホテルラングウッドで支部例会を開催し、会員ら10人が参加した。今回のテーマは、「マイナンバーと保険証~保険証資格オンライン確認制度が近づいている」で、講師は、吉田章副会長が務めた。

 マイナンバーカードを使ったオンラインでの保険証資格確認が2020年8月から予定されているが、厚労省は、資格喪失後の受診に伴う事務コストの解消が図れる等のメリットがあるとしている。

 しかし、患者側からすれば、①原則としてマイナンバーカードを持ち歩き窓口に提示しなければならない、②現在持っていない場合、新たに発行する手間が生じる、といった問題点がある。現在発行されている保険証は約8,700万枚。これに対し、交付済みのマイナンバーカードは、1千367万枚(2018年3月時点)しかない。マイナンバーを持ちたくない場合も保険証は必要なので、計算上7,400万人分が新たに発行されることになる。それにより、マイナンバーカードが普及したとして、所持が義務化される恐れがある。

 医療機関側からの問題点としては、①すべての診療所等でオンライン設備が必要(2017年3月時点で43・2%がオンライン請求していない)、②カードリーダーが必要、③レセコンの改修が必要、④回線事故の場合は確認不能、⑤往診時の対応が未定、⑥窓口で取り違えた際の混乱、⑦ウイルス侵入等のセキュリティの問題、などが挙げられる。

 参加者からは、「従業員のマイナンバーの管理だけでも苦労しており、患者のカード管理が加わったら、医療機関は対応できない」といった声があがった。

(『東京保険医新聞』2018年12月25日号掲載)