東京地方自治研究集会で報告―細田病有部長「医療構想調整会議の注視を」

公開日 2019年01月24日

190125_02_lecture-hosodadr

12月9日、明治大学駿河台校舎リバティータワーにて第12回東京地方自治研究集会が「憲法を守り、いかし地方自治がいきるまち東京を」をテーマに開催され、8分科会・1講座にのべ800人が参加した。

記念講演では、京都大学の岡田知弘教授が「地方自治・地域再生をめぐる対抗軸と展望―東京都政を住民の手に取り戻すために」と題して講演。安倍政権が導入しようとしている道州制などは、「人口減少」「地方消滅」論を前提としており、住民の身近な行政サービスを支える基礎自治体を消滅させるとともに、オリンピックを機に東京の大規模開発と一極集中化に拍車をかけるものだと批判した。

また、「公共サービスの産業化」によって、民間企業が行政業務に進出し、国民の個人情報を扱うなどの重要な業務が民営化されていくことの危険性を訴えた。

分科会「地域医療構想と公的医療の役割・地域包括ケアを考える」では、協会の細田悟病院有床診部長が、「東京の地域医療構想と公的医療の役割」と題して基調報告を行った。

細田部長は、地域医療構想調整会議の概要と東京都の地域医療構想の特徴と問題点を解説し、患者・住民も会議を傍聴するなど積極的にかかわっていく必要性を語り、「署名など、今までの民主主義ももちろん重要だが、これからは公的な会議を市民がしっかりと監視していくような新しい民主主義も必要」と訴えた。

また、日の出町の施策や子ども医療費助成を例に、医療費無料化や助成等の施策が、早期治療を実現し、結果的に医療費を下げていることを示し、無料化や助成制度で医療費が増加すると喧伝するマスコミの主張は誤っていると指摘した。

(『東京保険医新聞』2019年1月25日号掲載)