保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

4/9(火) 糖尿病症例研究談話会

公開日 2019年03月15日

日時

2019年4月9日(火)19:45~21:15

特別講演

◎妊娠糖尿病の過去と今、そして将来
〔講師〕
荒田 尚子 氏(​国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター母性内科部長)    


 妊娠は女性にとって生理的な生涯の健康の負荷試験といわれ、妊娠糖尿病は将来の生活習慣病のリスク因子として認識されるべき代表的疾患である。妊娠中に初めて発見される妊娠糖尿病は母体および胎児にさまざまな合併症を引き起こすばかりか、産後に一旦耐糖能は正常化しても後に高頻度に女性に糖尿病を発症することが明らかにされている。2010年の妊娠糖尿病新基準の導入後、本邦での妊娠糖尿病頻度は約3%から約10%に増加し、産後5年の累積発症率は非妊娠糖尿病女性の約1%に対し、新基準での妊娠糖尿病既往女性は約20%に糖尿病を発症していることが、既存の産後追跡データから明らかになった。国際的なメタアナリシスによると、GDM既往女性の糖尿病発症リスクは非GDM既往女性の約7.4倍と報告されている。また、産後に糖尿病発症に気づかないでいることは、次子の先天異常や流産の原因になる。妊娠糖尿病既往女性はフォローアップされるべき対象であるにもかかわらず、そのフォローアップが十分に実施されていないのが日本の現状である。海外のガイドラインでは、産後半年以内に75g糖負荷試験などで耐糖能を再評価し、その後は1から3年毎に空腹時血糖やHbA1cにて耐糖能評価を行うことを推奨している。
 妊娠糖尿病既往女性の糖尿病発症予防を目的とした介入方法として、生活スタイル修正、メトホルミンによる薬物療法の有効性が明らかにされているが、この数年、海外での観察研究によって示された授乳の母体糖尿病発症リスク軽減効果が注目されている。また、妊娠糖尿病母体の児においては、将来の肥満や耐糖能異常のリスクが上昇することが海外で報告されているが、妊娠糖尿病母体の児における母乳栄養のそのリスク軽減効果はまだ明らかにされていない。一般に母乳栄養が小児肥満のリスクを軽減することはわが国でも示されていることから、妊娠糖尿病女性に対する助産師を中心とした医療チームによる妊娠中から産後にかけての授乳介入が、長期の妊娠糖尿病既往女性とその児の代謝面に大きく寄与する可能性を示唆する。
妊娠糖尿病において、妊娠転帰の改善はもちろんのこと、長期的に女性とその児の代謝面を改善させるために、妊娠中から産後長期のきれめない女性とその児の支援体制の構築が重要であろう(荒田)。

症例検討

◎産婦人科と代謝科併診で管理した妊娠糖尿病合併妊婦の症例報告
​〔講師〕
池田 麗 氏(立川相互病院産婦人科)


 当科と当院代謝科と併診した症例のなかで、当院で妊娠管理中に妊娠糖尿病と診断され、検査・治療を開始しようとしたが、検査治療拒否があり管理が困難であった症例と内科・精神科通院中の患者が妊娠し、当院で妊娠と合併症の管理を開始した症例を報告させて頂きます(池田)。

会場

協会セミナールーム(JR「新宿駅」南口より徒歩10分)

参加費

会員:無料、会員外:6,000円

備考

日医生涯教育制度・単位申請済み(1.5単位)

申込み

4/9糖尿病症例研究談話会参加申込みとして、(1)会員名または院長名、(2)医療機関名、(3)参加人数、(4)TEL番号、(5)FAX番号、(6)地区名、(7)会員・会員外の別を記入の上、FAX(03-5339-3449)までお送りください。

※東京保険医協会会員の方はメールフォームからもお申込みを受け付けています。こちらからどうぞ。

問合せ

研究部 担当:野中、滝沢
(TEL:03-5339-3601/FAX:03-5339-3449)

地図

協会セミナールーム