【シリーズ活動紹介⑮】核兵器に反対する委員会

公開日 2019年11月25日

「祖先と末代のために」

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委員長 片倉 和彦

 

 核兵器に反対する委員会は、核廃絶を求める都内の医師・歯科医師・医学者の団体「東京反核医師の会」の支援を目的とした委員会です。「東京反核医師の会」は1983年の設立以来、命と健康を守る医師として原爆症認定訴訟への協力をはじめ、被爆者に寄り添った活動を続けてきました。年に一度の総会では記念講演会を開催していて、次回(2020年2月1日)は大飯原発運転差し止めの判決を出した樋口英明元福井地裁裁判長をお招きする予定です。関心のある方はどうぞ。

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 どうも「自国の通貨を発行して借金できる国が財政破綻することはない。だから財政再建のために政府の支出を減らしたり税や保険料の国民負担を増やしたりしなくても、借金を膨らませて費用を賄えばいい」という現代貨幣理論に100%の信頼をおくことはできません。ハイパーインフレになって初めて間違いが証明できる理論なので(この段落は個人の感想です)。

 そして、「核兵器があることによって戦争を阻止できる」という核抑止論に関しては100%信用していません。だいたい、核戦争になって初めて間違いが証明できる理論であり、かつ、過去には核武装している飛行機が海に沈んだ事故のような偶発事故もあるわけですし、最近でも核戦争のボタンが押されかけた例もありますし、トランプ大統領が「実際に使いやすい小型の核兵器」の開発を軍事産業に指示しているという話もありますので。

 それゆえに、核抑止論よりは「全体的な破滅を避けるためには核兵器を廃絶しよう」という核廃絶論の方が、人類の未来にとってはよっぽど現実的だと思うのです。「長崎を人類最後の被爆地に」という長崎市長の言葉に共鳴します。祖先と末代のために(祖末)。

(『東京保険医新聞』2019年11月15日号掲載)