保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

災害時のけが・病気への対応学ぶ―気軽に学べる市民講座を開催

公開日 2019年11月25日

201910shimin1
三角巾を用いて応急処置の実践を行う参加者
201910shimin2
東北物産品の販売も行われた
201910shimin3
クイズ形式で健康管理について学んだ

 サルビア会・就労環境部は10月20日、「気軽に学べる市民講座」を開催し、36人が参加した。講座は3・11を忘れずに災害に備える意識を持つことを目的としたもので、今年で7回目を迎えた。

災害時はまず身の安全を

 はじめに、新宿消防署地域防災担当課長の小暮和弘氏から「災害時の対処法」として災害対策についての講演があり、三角巾を用いた患部の止血や固定などの応急処置を実習した。小暮氏は「災害時は生き延びた後のことを考えがちだが、まずは身の安全を確保してほしい」と避難の優先を呼びかけた。あらかじめ備えることとして、倒れた家具類の下敷きにならず、避難経路を塞がれないよう、家具固定や配置などに工夫をすべきと述べた。また、停電復旧後には火災の危険があるとし、安全確認される前に電気を絶対に使わないよう注意を促した。

 昼食を兼ねた非常食の試食では、水と発熱剤を準備することで、電気やガスが止まっても温かい食事がとれることを体験した。缶詰などを定期的に食べながら保存するローリングストックについても解説があった。

3・11から8年 問われる復興の在り方

 成瀬清子部長は「宮城の今」として、宮城県険医協会からのメッセージと資料を交えて報告した。被災地の経年変化の写真を示し、道路や区画は整備されているが、仮設住宅では昨年にも自殺者が出ている状況を指摘。被災者を置き去りにした復興の在り方について問題提起した。

災害時の健康管理 大切なのは日常の備え

 「健康管理」講座では、田中眞希副会長はクイズ形式でけがへの対処方法を伝え、成瀬部長は脱水や発熱への予防や対応のほか、笛やレジ袋を日常的に携帯すること、災害用伝言ダイヤルの予行練習など日常の備えの大切さを強調した。最後に、今年の台風被害について、自然災害だから仕方がないと済ませるのではなく、海水温の上昇が台風大型化の要因であり、温暖化対策を真剣に考える時期に来ていると締めくくった。

 会場には非常用品なども展示され、参加者からは「様々な角度から災害についての情報が得られ、防災意識が高まった。今後に役立てたい」「非常食が進化していて驚いた」「台風をきっかけにスタッフとの連絡方法を再検討した」などの意見や感想が寄せられた。

(『東京保険医新聞』2019年11月15日号掲載)