保険医の生活と権利を守る東京保険医協会

適時調査対策講習会を開催

公開日 2019年12月10日

 10月30日、病院有床診部は、適時調査対策講習会を開催し、会員医療機関から62人が参加した。講師には元厚生局医療指導監視監査官で、現在は産労総合研究所所属の瀬下忠男氏を招いた。

 瀬下氏は、施設基準の特に注意すべき事項に焦点をあて、各専門職の専任・専従者の配置要件、病棟ごとや点数ごとの院内掲示の義務、院内カンファレンスの実施状況についての記録など多岐にわたる項目で重要な部分を解説した。

 入院基本料の基準では様式9の記載について取り上げ、勤務表だけでなく、実際の勤務記録を残すこと、計上する時間とそうでない時間の区別を普段から行うことが重要であると述べた。

 看護の実施においても家族の付添が看護力の補充とならないよう注意すること、患者の重症度等の評価では看護記録にも残すことで評価を導く記録になることを説明した。

 療養担当規則に関しては、「医師・保険医療機関に対して課されている規則であるが、受託業者は療養担当規則等を理解していない場合が多いため、適切な取り扱いとなるよう指導することが必要だ」と述べた。具体的な例では、患者の日常生活品を「患者の選択に資する」状態で用意していないことは療養担当規則違反になると紹介した。

 適時調査の結果については、特に「不十分」という結果が出た場合は要注意だと述べた。これは施設基準に従っていないわけではないが、厚生局の求めているものに合致していないので、改善が必要という意味だ。次回調査では自主返還の対象となるので、放置せず見直す必要があるとした。

 まとめとして、適時調査への対策、施設基準の管理・運用を適切に行うためには、各関連部門との適切な連携・協力が必要であり、担当者だけで抱え込まないこと、情報共有、業務分担とダブルチェックが大切だと述べた。「職場の環境を整え、医療機関全体として取り組むことが重要だ。独自の解釈や『知っているつもり』ではなく、不明な点は関係機関に確認してほしい」と結んだ。

 その他、協会が開示請求した資料について、病院有床診部オブザーバーの村山氏が解説した。適時調査では施設基準を満たし続けているかが確認される。「特に患者サポート体制充実加算などがよく指摘されるので注意が必要だ」と述べた。

 細田部長は、「許認可制では責任は医療機関と厚生局で半々だが、届出制ではすべて医療機関の責任となる」「本日の講習を活かし、日頃から自主返還の必要が生じないよう十分な対策を行ってもらいたい」と挨拶した。

 

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(『東京保険医新聞』2019年11月25日号掲載)