【要望書】地域医療の崩壊を防ぐための緊急施策を求める要望書

公開日 2020年04月24日

2020年4月23日

内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
厚生労働大臣 加藤 勝信 殿

東京保険医協会
会 長   須田 昭夫
政策調査部長 吉田 章

地域医療の崩壊を防ぐための緊急施策を求める要望書

 貴職におかれましては、国民医療の確保のために尽力しておられることに敬意を表します。

 東京保険医協会は、4月14日に会員医療機関4,768件に「新型コロナウイルス感染症による医業経営への影響【緊急アンケート】」をFAXで送付し、4月17日までに都内1,221件の医療機関から回答を得ました。(回収率25.6%)。

 集計の結果、一般診療所の94.1%で外来患者が減少、93.2%で保険診療収入が減少していることが明らかになりました。また、30%超の医療機関で、外来患者と保険診療収入が5割以上減少していることが明らかになりました(4月上旬の状況を前年同期と比較し回答/別紙アンケートまとめ図1・2参照)。

 マスク、消毒用エタノール製剤、防護用品の在庫状況は、マスクでは29.0%、消毒用エタノール製剤では39.8%、防護用品では84.5%の医療機関が「足りない」と回答しました。「在庫あり」との回答の中では、マスクで66.1%、消毒用エタノール製剤で72.5%の医療機関が「4週間以内に在庫がなくなる」と回答しています。(別紙アンケートまとめ図3・4・5参照)。

 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、感染予防や院内感染のリスクを回避するために、国民の医療を受ける権利が侵害され、深刻な受診抑制が引き起こされています。同時に、医療機関の経営基盤が大きく揺らぎ、閉院や休業、従業員の解雇を検討する医療機関が激増しています。この状況が続けば、多くの一般診療所が経営困難に陥り、閉院に追い込まれ、医療崩壊に至ることは必至です。

 医療機関は、診療報酬制度という公定価格制度と国民皆保険制度によって、医療の公共性・公益性を担保し、国民のいのちと健康を守ってきました。医療提供体制を堅持し、地域医療を守るために、以下の緊急施策の実現を強く要望いたします。

[要望項目]

一、医療機関向けの持続化給付金制度を早急に創設し、公費を投入して地域医療を守ってください。
一、家賃(テナント賃料)補助制度を早急に創設してください。
一、すべての医療機関に十分な量のマスク、消毒用エタノール製剤、防護用品を国の責任・費用で早急に供給してください。

以上

地域医療の崩壊を防ぐための緊急施策を求める要望書[PDF:119KB]
【別紙】アンケートまとめ[PDF:609KB]


【関連リンク】

第1回 新型コロナウイルス感染症による医業経営への影響【緊急アンケート】