雇用調整助成金の給付手続きの簡略化、迅速化等を求める要望書

公開日 2020年04月30日

2020年4月30日

内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
厚生労働大臣 加藤 勝信 殿

東京保険医協会
会長     須田 昭夫
経営税務部長 酒井  均
 

雇用調整助成金の給付手続きの簡略化、迅速化等を求める要望書

 

 

 貴職におかれましては、国民医療の確保のために尽力しておられることに敬意を表します。

 当会で、会員診療所を対象に「新型コロナウイルス感染症による医業経営への影響【緊急アンケート】」(実施期間4月14日~17日:回答数1,221件、回収率25.6%)を実施したところ、医院経営を脅かす深刻な結果が浮き彫りとなりました。

 集計では、一般診療所の94.1%で外来患者が減少、93.2%で保険診療収入が減少しており、さらに3割を超える医療機関で、外来患者と保険診療収入が実に5割以上減少していることが明らかになりました。

 このように多くの医療機関が経営困難に陥る中で、各院所は地域の第一線で医療提供に責任を持ち、また事業主として従業員の雇用を守るために懸命の努力を行っています。

 こうした雇用の深刻化に対して設けられた雇用調整助成金制度ですが、4月17日時点で、各地のハローワークなどで受け付けた相談は11万8千件、申請は985件あります。しかし、支給決定は60件に留まっており、国民の要求に対し十分応えられていない現状であると言わざるを得ません。

 医療提供体制を堅持し地域医療を守るためにも、雇用調整助成金について、以下の緊急施策の実現を強く要望いたします。

[要望項目]
一、申請業務の複雑さ煩雑さを見直し、申請実務の一層の簡略化を図ってください。
一、審査人員が相談・申請数に追い付いていない現状を改善するため、人員数の拡充をはかり、翌月の給与に反映できるよう、手続きの一層の迅速化をはかってください。
一、5%の売上減少が必要という生産量要件を撤廃してください。
一、給付の上限額を撤廃してください。

以上

雇用調整助成金の給付手続きの簡略化、迅速化等を求める要望書[PDF:164KB]