新型コロナ 第2次補正予算案が審議入り 医療機関の減収補填が急務

公開日 2020年07月02日

 2020年度第2次補正予算案が6月8日、国会に提出された。新型コロナウイルス感染拡大への対応として、ワクチン・治療薬の開発や医療従事者への慰労金支給など、医療提供体制の強化に2兆9898億円、家賃支援給付金に2兆242億円を計上している。また、休業手当の一部を補助する雇用調整助成金の日額上限が、現行の8330円/人から1万5千円に引き上げられる。

 医療や介護・福祉提供体制の整備等を目的とした新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の抜本的拡充には2兆2370億円が計上されたが、対象は感染患者を受け入れた「重点医療機関」に限られている。

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 この点について、超党派の「医師国会議員の会」が5月18日、横倉義武日本医師会長とともに、医療提供体制確保への支援拡充を厚労大臣に要請していたところだ。

 コロナと最前線でたたかう医療機関の経営悪化も深刻だが、コロナ患者を受け入れていない場合でも、院内感染の危険と隣り合わせで診療をしている。そのうえ、新型コロナの影響で患者数が激減し公費による減収補填が必要な状況に追い込まれている。

 この間、協会と保団連が会員を対象に実施した緊急アンケートでも、都内の9割超の医療機関で外来患者数が対前年4月比で減ったと回答しており、最も深刻だった耳鼻咽喉科や小児科ではおよそ半数の医療機関で患者数が50%以上減少しており、このままでは地域医療が崩壊しかねない状況だ。

 雇用調整助成金や持続化給付金などの申請手続きの煩雑さ、支給の遅れ等も問題となっている。

 協会は、国民のいのちと健康を守るため、新型コロナウイルス感染患者の受け入れの有無で区別することなく、医療機関への全面的な支援を引き続き求めていく。

 

(『東京保険医新聞』2020年6月15日号掲載)