医療機関への負担 重過ぎないか

公開日 2020年10月27日

医療機関への負担 重過ぎないか

研究部長 申 偉秀

 かかりつけ医として地域の患者さんの新型コロナウイルス感染症診断の一助として、現在都内で1,100カ所以上の診療所が唾液PCRを行っている。

 今冬のインフルエンザとの同時流行期には唾液からのインフルエンザ検査ができないため、国は鼻腔検体からコロナ、インフルエンザ抗原検査を可能とし、併せてかかりつけ医が積極的に発熱患者等の診療検査に参加するために、東京都は「診療・検査医療機関」の登録を呼びかけている。

 しかしながら、1)「発熱外来診療体制確保支援補助金」が、実際に発熱患者を診るほど減額されること、2)新型コロナウイルス抗原検査を複数回行っても免疫学的検査判断料は同月同一患者に1回しか算定できないこと、さらに、3)現在はほぼ地区保健所にて代行入力されている新型コロナ陽性患者の報告システム(HER-SYS)への入力を「診療・検査医療機関」で行うことになるなど、発熱外来専用の時間を設けて診療を行う医療機関への負担が大きくなりすぎるなどの問題が挙げられる。協会には「診療・検査医療機関の登録を行うか迷っている」「登録申請の締め切りが短く突然の呼びかけに困惑している」などの相談が多数寄せられている。

 国はかかりつけ医にコロナ・インフル診療を任せたいのであれば、かかりつけ医が進んで応じることのできる体制を責任をもって構築してほしい。

(『東京保険医新聞』2020年10月25日号掲載)