都立・公社病院独法化中止を都議会各会派へ要請

公開日 2021年06月12日

都民ファーストの鳥居こうすけ(左から2
人目)、もり愛(左から3人目)、各都議
共産党の原田あきら(写真左)、藤田りょ
うこ(左から2 人目)、各都議

 

 病院有床診部は5月13日、都知事宛に提出した要望書「都立・公社病院の独立行政法人化を中止してください」(4月8日提出)に基づき都議会各会派への要請を行い、水山和之部長、細田悟部員が参加した。

 当日は、鳥居こうすけ、もり愛(都民ファースト)、原田あきら、藤田りょうこ(共産党)各都議および、自民党事務局と懇談し、立憲民主党と生活者ネットワークに要望書を提出した。

 協会から、「新型コロナ患者が救急搬送された際に、病院の構造上、ゾーニングすることができず、他院に受け入れてもらえるまで36時間、外来や救急搬送がストップし病院収入が大幅に減少した。しかし、都立広尾病院、公社荏原病院、公社豊島病院が新型コロナ専門病院となったことで、コロナ患者をすぐに転院できるようになり、大変助かった」「当病院は療養病床だが、都立病院は本当に役立っている。骨折やシャントトラブルなど都立病院で受け入れてもらえるので安心して運営できる。大病院は専門化しており、なかなか受け入れてもらえない。医療連携には『なんでも受け入れてくれる病院』はなくてはならない存在だ。都立病院が独法化した場合、同じ医療が提供される保証はない」等、医療現場の実状を訴えた。

 都議会与党の都民ファーストは「独法化後も『都立病院』の名称は残り、現在と大きく変わることがないよう働きかけている」と回答した。共産党は「東京都は独法化後に海外富裕層向けの医療ツーリズムに利用することも検討している」「独法化後は法人理事長の方針で、提供される医療が大きく左右される」「不採算医療の切り捨てとなる」等の懸念があるため反対だと主張した。

 7月4日投票の都議会議員選挙で、都立・公社病院の独法化中止が争点となるよう、今後も問題点を訴えていく。

(『東京保険医新聞』2021年6月5日号掲載)