新型コロナワクチン 緊急要望書を発出

公開日 2021年07月09日

 協会は6月15日、「新型コロナワクチン接種の促進を求める緊急要望書」を、内閣総理大臣、厚生労働大臣、財務大臣、新型コロナウイルスワクチン接種推進担当大臣宛に発出した。

回数にかかわらない接種単価引き上げが必要

 政府は5月25日、新型コロナウイルスのワクチン接種を加速させるために、診療所で高齢者(65歳以上)へのワクチン接種を一定の回数以上実施した場合に、国が支払う接種費用を上乗せする財政支援策を決定した。

 これに基づき、都は6月11日、「東京都新型コロナウイルスワクチン接種促進支援事業」を発表した。

 同事業の内容は、1日あたり30~49回接種した場合も協力金交付の対象とするなど(国基準では50回以上が対象)国の定めた基準と比べて一部拡充されているが、多数回の接種を要件としていることに変わりはなく、一般の診療所で、日常診療を行いながら実施するのは極めて困難である。

 会員からは「予約受付やキャンセル対応に忙殺され、インフルエンザワクチンよりも労力がかかっているのに接種単価が安すぎる」「休憩時間を削って地道に接種しているが、協力金の対象とならず心外だ」「ワクチン供給が不十分で、取り組みたくても多数回はできない」「7月中の高齢者接種完了という号令に従った協力金のあり方は妥当なのか」等の声が寄せられている。

 新型コロナワクチンの接種を促進するには、接種回数にかかわらない接種単価そのものの引き上げが必要だ。

幅広い接種推進のために接種医師の裁量を

 また、1バイアルあたり6人接種の原則は、予約とキャンセルの対応を煩雑にし、現場での柔軟な対応を困難にしていることから、1バイアルの接種人数制限の撤廃も、併せて要望している。

 協会は引き続き、現場の声に基づいた新型コロナ対策を求めていく。

(『東京保険医新聞』2021年7月5日号掲載)