支部長会 地域医療の課題 共有

公開日 2022年03月02日

 協会は2月12日、セミナールームで支部長会を開催した。新型コロナウイルス感染症の流行を鑑みてZoomを併用して開催し、現地・Zoom参加者併せて全20支部のうち16支部の支部長および支部長代理が参加した。

 開会挨拶で須田会長は、「日本政府は国民に対して聞く耳を持とうとしない。コロナ禍においても、医師の言うことを聞かず、多くの反対の声を無視して東京五輪を強行し、その後の第5波では在宅死が発生した。医療体制への支援が不十分なばかりか、この状況で75歳以上の窓口負担2倍化や、都立・公社病院の独法化などを進めようとしている」と政府の対応を批判し、「憲法は、国民に健康で文化的な生活を送る権利を保障しており、それこそわれわれ医療者が守るべき価値だ。協会は基本的人権を重視した活動を続けていく」と発言した。

 続いて、須田会長が2022年度協会事業計画案、拝殿会計副部長が同予算案の基本方針について報告した。

新型コロナ対応など現場の実態を交流

 懇談では、各支部から拡大が続く新型コロナウイルス感染症への対応の状況等の話題提供があった。「保健所と地区医師会が協力して検査体制を整えていたため、今のところ大変な思いはしていない」等の発言があった一方で、「G―MISとHER―SYSへの入力にとても労力がかかっている。夜中の2、3時まで作業しないと終わらない」「別の疾患で来院した患者の容体がおかしかったので検査をしたらコロナ陽性だった。高齢者なので入院させることにしたが、受け入れ先がなく何件も受け入れ先を探すことになった」など、地域の医療体制や保健所体制によって状況が大きく異なり、地域によっては医師が診療に加えて過大な事務作業に追われている実情が報告された。

 さらに、「政府はコロナワクチンの3回目接種を進めているが、検査を実施するだけでも医療機関は大変な状況だ」と医療機関に負担を押し付ける政府の対応への批判の声もあがった。

 協会に対しては、「頻繁に変更されるコロナの診療報酬について、支部例会等を通じて協会からわかりやすい情報提供があって助かっている。いつも頼りにしている」「協会のFAXニュースで算定に必要な情報が迅速に送られてきてありがたい」といった声も聞かれた。

 続けて、2022年度診療報酬改定の諮問案の要点とコロナ関連の保険請求の最新情報を事務局から話題提供した。新設される外来感染対策向上加算やリフィル処方箋等の概要や、コロナのみなし陽性者の保険請求についてなど、いま注目されている話題について解説した。

 最後に、吉田副会長が「コロナ下での各支部の生々しい最新の状況を把握することができた。行政のコロナ対応は場当たり的だ。苦しんでいる現場のためにも適切な対応を求めていきたい」と挨拶し、閉会した。

(『東京保険医新聞』2022年2月25日号掲載)