川田龍平参議院議員 政策懇談会 いのちが最優先される社会の実現

公開日 2023年04月19日

 
 川田 龍平 議員

 政策調査部は3月11日、川田龍平参議院議員(立憲民主党)を招き、政策懇談会「いのちが最優先される社会の実現を」を開催し、会場・Zoomを合わせて20人が参加した。国会議員を招いた政策懇談会は、各政党の医系議員を中心に継続して開催している。

 川田議員は、いのちを守るための活動や議員立法について講演した。自身が当事者として、国と製薬会社を相手に闘った薬害エイズ事件とHIV訴訟について、1996年3月に歴史的「和解」を勝ち取るまでの経緯を語った。高校時代に薬害エイズの被害者として実名を公表し、何としても裁判に勝ちたいと思い原告に加わった。司法記者クラブの記者をはじめ、マスコミがHIV訴訟を真摯に取材し報道してくれた。法廷外でのさまざまな取り組みもあり、製薬会社と国を社会運動の力で包囲していった結果、「和解」を勝ち取ることができた。

 これらの経験から、社会の構造・仕組みを変えるためには、法律を変える必要があることに気づき、国会議員になることを決意したと語った。

 「在来種・ローカルフード育成法案(地域在来品種等の種苗の保存及び利用等の促進に関する法律案)」は、種子法が廃止され、種苗法が改定されたもとで、国と地方公共団体が日本の食と農業を支え、地域のローカルフードを守るための法案だ。川田議員は、千葉県いすみ市の有機米や有機野菜を使った学校給食の取り組みを紹介した。地域ごとの小さな単位から、食や農業の問題を考え、農業の担い手を増やし支えていくことが、国全体の食料自給率を結果として高めていくことにつながると指摘し、開会中の通常国会でぜひ成立させたいと述べた。

 川田議員は最後に、「社会、世界を変えるためには、人を動かすことが必要である。そのためにはまず、自分が動き、周りの人に問題を伝えていくことが大切だ。運動が社会を変える力になる」と力説した。質疑応答では、マイナンバー法等関連法案(健康保険証廃止法案)、医療と食の関わり、食育の重要性、かかりつけ医制度の行方等について活発な意見交換が行われた。

(『東京保険医新聞』2023年4月15日号掲載)