9/24(日)医学部・地域枠を考えるシンポジウム

公開日 2023年08月25日

日時

  2023年9月24日(日)14:00~16:30

講演①欧米先進国の地方医師派遣制度

   都市部と地方遠隔地の医師密度格差、医師の偏在を解消する目的で全国の医学部に地域枠制度が設立された。
 以降も地域枠医学生の拡充が図られ、多くの地域枠医師が誕生し、医療リソースの少ない地方で診療に従事し、地域医療に貢献している。
 しかし、欧米先進国の地域派遣義務医師と比べ、その義務年限の長さ、キャリアパス選択の少なさ、離脱条件の厳しさ、離脱時の奨学資金返済額の多さも問題となっている。
 今回のシンポジウムでは、欧米各国の地方遠隔地派遣医師システムを紹介しながら、「奴隷枠」とも揶揄される日本の地域枠医師制度と対比させ、持続可能な医療リソース不足地域への医師派遣システム構築の一助としたい。

講師:関根 利蔵 氏

  白岡中央総合病院・内科

  日本内科学会総合内科専門医/日本循環器学会循環器専門医

 

講演②医学部地域枠における人権侵害

 2008年医師不足を背景に国はようやく医師数増員に舵を切ったが、「医師数は不足ではなく偏在である」とされ、医学部の定員は「地域枠」のみ急速に増やされた。当然様々な理由で一定数の離脱者が出るが、2019年厚労省は地域枠の離脱は「道義的責任が残る」として原則として認めない方向に舵を切った。そのため現在地域枠離脱希望者に対するあからさまなハラスメントが横行し、一部無法地帯と化している。もはや見過ごせないレベルに達している現状をお伝えする。

講師:坂根 みち子 氏
  医)櫻坂 坂根Mクリニック 理事長
  地域枠医学生・医師を支援する会代表/日本医療法人協会「現場からの医療事故GL検討委員会」委員長
  茨城県保険医協会理事

 

講演③地域枠の課題と解決策としての「全国地域枠」の提案

 日本の医学部医学科入試における地域枠は入学定員の6分の1にまで増え、医師の地域偏在対策の中心になっている。現行の地域枠制度には、法的、倫理的、教育的な課題があるように見える。演者はこれらを解決する方策として「全国地域枠」制度を提案している。その実行可能性は、医師不足地域に関する全国統計データの利用などにより以前よりも高まりつつある。当面は各大学で小規模に導入しその効果を検討することが望まれる。

講師:大滝 純司 氏
  東京医科大学総合診療科兼任教授
  日本医学教育学会・理事/国立療養所多磨全生園および栗生楽泉園内科医

 

講演④地域枠は医学生・医師の人権侵害にならないように運用しなければならない

 医学部地域枠の運用の現状は、過度に医学生・医師の人権を侵害しているケースがあるので、改善しなければならない。①地域枠離脱事由の整備(県・大学側の帰責事由に起因した離脱、一般条項たる正当事由の明記など)、②日本専門医機構の独自基準設定と自律的運用の2つがその重要な柱である。今後は県職員も大学教員も、パワハラやアカハラで内部告発されたり、訴訟提起されたりしないよう、留意しなければならない。

講師:井上 清成 氏
  弁護士/井上法律事務所所長

会場

東京保険医協会セミナールーム

会場定員

会場 30人  Zoom 90人(先着)

参加費

  無料(どなたでもご参加いただけます)

申込み

こちらからお申し込みください。ファックスで申し込まれる場合は、「9/24医学部・地域枠を考えるシンポジウム 申込み」として、① 医療機関名又はご所属、② 参加者名、③ 参加人数、④ 電話番号、⑤ FAX番号をご記入のうえ、FAX(03-5339-3449)までお送りください。メールでのお問い合わせは、info@hokeni.org までお願いします。

問合せ

東京保険医協会・勤務医委員会
TEL:03-5339-3601 / FAX:03-5339-3449 e-mail:
info@hokeni.org

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