小児科会員懇談会 請求方法や日常診療で懇談

公開日 2023年10月30日

 組織部と研究部は9月27日、小児科会員懇談会を開催し、会場6人、Web13人の合計19人が参加した。

 本懇談会は、標榜を問わず小児の診療を行う会員を対象に2021年から3年連続で開催している。

 細部千晴理事が司会を務め、前半は細部理事が予防接種について話題提供を行った。予防接種に関する資料説明の他、自身の電子カルテの画像を使いながら具体的な算定事例の紹介を行った。


司会の細部千晴理事

 その後、「小児科分野の点数算定のポイント」について事務局から話題提供した。小児科外来診療料や小児かかりつけ診療料等、小児科に係る点数算定に加え、10月以降の新型コロナウイルス感染症臨時的取扱い等を取り上げた。

 参加者からは、新型コロナとインフルの同時検査の算定方法や、小児かかりつけ診療料の算定要件等について盛んに質問が出た。

 後半は参加者同士自己紹介をしたのち、日常診療について意見交換を行った。小学校で学級閉鎖が相次ぎ大流行しているインフルエンザへの対応や、学園祭が終わった中高生を中心に新型コロナ患者が急増しているとの報告があった。来院した発熱患者に対して即時検査をしても陰性であることが多く、状況に応じた対応が求められるとの事例報告に賛同の声があがった。

 また、2023年4月に開業した会員から、子どもたちに本を通じて学ぶことを体験してほしいと考え、待合室に2千冊の児童書を置いたことが紹介され、他の参加者から質問が続いた。

 ほかにも、公費等の兼ね合いから患者の自己負担を考慮し点数算定に苦心しているといった話題や、コロナ禍を経験したことでよりいっそう患者に寄り添った診療を心掛けるようになった経験が共有される等、閉会の時刻を過ぎても話題は尽きなかった。

 最後に細部理事が、「インフルエンザが大流行し、学級閉鎖が相次ぐ中での開催となり、限られた参加者での懇談となったが、日頃の悩みの共有や新たな気付きが得られたのではないでしょうか」と結び、盛会のうちに閉会した。
 


新型コロナやインフルエンザの流行への対応や、参加医療機関の独自の取り組みの報告など、多岐に渡る話題で懇談した(9月27日、セミナールーム)

(『東京保険医新聞』2023年10月25日号掲載)