公開日 2024年11月01日
様々な話題で活発に意見交換した(9月25日、セミナールーム)
9月25日、研究部・組織部は協会セミナールームで耳鼻咽喉科会員懇談会を開催し、6人が参加した。司会は平野浩二理事が担当した。
平野理事は「これまでオンライン併用で開催してきたが、今回はより打ち解けた話をするために、会場参加のみに限定しての開催とした。日頃の診療での悩みや疑問など共有していただきたい」と開会挨拶をした。
耳鼻科の個別指導や10月から始まる長期収載医薬品の選定療養費化等について、事務局から話題提供した後、懇談を行った。
指導の話題では、まだ新規個別指導を受けていない参加者に向けて、既に指導を受けたことがある参加者から体験談やアドバイスが出された。「指導官が耳鼻科にまったく関係のない専門科の医師で、耳鼻科医からすれば的外れな指摘を数多くされた」「2023年に、COVID―19の患者を多く診療していたことから、高点数で集団的個別指導の呼び出しを受けた。必要な診療を行っているにもかかわらず高点数であることだけを理由にして機械的に呼び出されるのは心外だ」といった意見が出た。
また、耳鼻科の診療報酬についても話題に上った。耳鼻科に係る処置の診療報酬が低いことはこれまでも指摘されており、長年の課題となっている。
「耳鼻科診療の柱は処置だと考えている。しかし、手間をかけて診療しても、外来管理加算(52点)よりも低いのではやっていられない」「報酬が低く、手間がかかることから、耳鼻科の処置をしない、できない若手医師が増えているようだ」等、診療のあり様に影響が出るほどの低い評価に疑問の声が相次いだ。
医院経営の問題では「諸物価が高騰するなか、賃金も上がり、従業員を十分に確保できない」といった切実な状況を訴える声も上がった。
その他、研究部が7月に開催したEAT研究会の感想や、電子カルテの使い心地など様々な話題で活発に意見交換した。
参加者からは「他の場では話しづらいことが話せた。また開催してほしい」「耳鼻科医は少ないので、耳鼻科医同士で話ができるとても良い機会だった」などの感想や要望が出され、盛況のうちに閉会した。
(『東京保険医新聞』2024年10月15日号)