接遇マナー講習会を開催 あなたの振る舞いがクリニックの未来を創る

公開日 2024年11月08日

 経営税務部は9月28日、社会保険労務士の石川恵氏(日本医業総研)を講師に招き、患者接遇マナー講習会を開催し、102人が参加した。

 SNSが発達した現在、受診した患者からも様々な情報が発信されるようになった。医療機関では一人のスタッフの行動がそのまま医療機関の接遇レベルの評価になることがある。話が正しく理解されなかったり、伝えたい意図とは逆に解釈されることもあり、こうしたことが患者の不満を生み、クレームに発展してしまう。石川氏は、「気持ちや感情は行動を通じて現れる。自分がどうかではなく、『相手にとって』自分がどう見えるかが大事」と語り、接遇の原則として、①挨拶、②表情、③態度の3点をあげた(表参照)。

クレーム対応のポイント

 石川氏はクレーム対応のポイントとして、まず否定から入らないこと、共感する対応が良いとした。相手の話を聞き、相手の立場・気持ちを理解し、怒りの本質を探すように努める。その後事実確認を行い、可能な範囲での代替案・解決策を提示することで患者の納得に繋げる。ただし、不当な要求やエスカレートする場合には、毅然とした対応も求められる。

 対応時の姿勢として「せ(背筋を伸ばす)め(目線を患者に向ける)て(手を膝・脚の上に置く)」をすることで態度による2次クレームを予防できるとした。

 「医療機関で働く一人ひとりの言動が医療機関のイメージを良くも悪くも変えることができる。常日頃から気に留めながら患者へ接してほしい」とまとめた。

 参加者からは、「敬語に関してはいざ質問されてみると答えが出ないものが多く、普段なんとなく使っている言葉を見直す機会となり勉強になった」「関心を持たないと気づけない、というのは日常の実務でも感じることがあるので、忙しい中でも気を付けていきたいと思った」「笑顔などある程度できていると思っていたが、改めて普段意識し切れていない部分がわかった。基礎を見直すことの大切さを知ることができた」などの感想があった。


実習の様子(9 月28 日、あいおいニッセイ同和損保新宿ビルB1F ホール)

 

(『東京保険医新聞』2024年11月5日号掲載)